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日本むかしばなし集108

时间: 2020-01-30    进入日语论坛
核心提示:松の木の下の老人喜界《きかい》ガ島《しま》というのは、日本の南の果てにある島であります。むかし、むかし、大むかしのこと、
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松の木の下の老人

喜界《きかい》ガ島《しま》というのは、日本の南の果てにある島であります。むかし、むかし、大むかしのこと、そこで、ひとりの美しい女の子が、川ばたでせんたくをしていました。すると、弘法大師《こうぼうだいし》という、えらい坊《ぼう》さんが通りかかりました。
「かわいらしい娘《むすめ》さんじゃが、惜《お》しいことに、命が、もう三年しかない。」
弘法大師が、そのとき、こんなひとりごとをいいました。娘は、びっくりして、家へとんでかえり、おとうさんや、おかあさんに、お話をしました。おとうさん、おかあさんは、
「それは大へんだ。早く、そのお坊さんを追いかけていって、どうか、もっと命をのばすよう、おたのみしてきなさい。」
と、いいました。そこで、娘は、弘法大師を追いかけて、
「もし、もし、弘法大師さま、わたしの命を、もうすこしのばしてくださいませ。」
と、おねがいしました。すると、弘法大師はいいました。
「それは困《こま》った。わたしは、人の命を知ることはできても、それをのばすことはできないのだ。」
これを聞いて、娘は、すっかり、らくたんし、涙《なみだ》をポロポロ流しました。これを見ると、
「それでは、娘さん、いいことを教えてあげる。」
そういって、弘法大師は、こんなことを教えてくれました。
「これから、北へ北へ、十里(約四〇キロメートル)ほど行くと、山がある。高さ千メートル、それをこして行くと、また山がある。高さ二千メートル、それをこすと、また山がある。高さ三千メートル。その三つ目の山のふもとに、大きな松《まつ》の木が三本立っている。一本は十メートル、もう一本は二十メートル、三本目は三十メートル。その三本の木の下で、ふたりの老人が碁《ご》を打っている。長い長いしらがのあごひげをたれ、ものをいわずに、碁を打っている。そばに、もうひとり、これも、白いあごひげの老人が、しきりに帳面を見ながら、なにか書きつけをしている。そこへ行って、その三人の老人に、高いおぜんをすえ、ぜんの上には一つずつ、盃《さかずき》をおいて、それに、うまいお酒をつぎなさい。しばらくすると、老人が、思わず知らず、手を出して、そのお酒を飲むにちがいない。そうしたら、また、その盃にお酒をつぎなさい。五度でも十度でも、お酒がなくなるまで、あるいは、老人が気がつくまで、そうしていなさい。老人が気がついたら、命のことをたのんでみなさい。」
これを聞いて、娘は、大喜びです。では、行ってまいりますと、それからすぐ用意をして、北の高い山をめあてに出発しました。
はじめの山では、ツルが二、三ば、上の空を舞《ま》っていました。つぎの山では、山の上で、どこからともなく聞こえてくる笛《ふえ》の音《ね》を聞きました。
やがて、第三の山のふもとへつきました。見れば、向こうに、三本の松の木があります。その下には、弘法大師のいわれたとおり、三人の老人がすわっていて、なにかしているありさまです。娘は、そっと近づいていきました。なるほど、ふたりは、碁を打ち、ひとりは、帳面をつけております。しかし、三人とも、じっとして、身じろぎもしません。はてな、娘が、よく見ると、三人はねむっているようです。ねむっているといっても、一時間や二時間ではないようです。だって、そばの土につきたててあるつえから、木の芽が出て、それに葉ができ、花がさき、実さえなっているのです。よほど、ながながとねむったと思われます。
「さて、どうしたものか。」
娘は、考えましたが、とにかく、大師にいわれたように、三つのおぜんをおいて、それぞれ、盃にお酒をつぎました。そして、木のかげで、三人のようすを見ていました。老人は、なかなか目がさめません。
「さて、困ったことだ。」
どうしたらいいかと考えているうち、娘も、どうやらねむくなってきました。いや、ねむくてねむくて、ならなくなってきたのです。
「しかたがない。ちょっとねむって、この人たちの目のさめるのを待とう。」
娘は、松の木によりかかって、つい、そのまま、ねむってしまいました。
ところで、娘が、そのまま、また、老人の前にすえたぜんが朽《く》ちて、くずれて、盃が、地の上にころがるまで、ねむっていたという話です。
それから、何十年たったかわかりません。いや、もしかしたら、いまでも、老人も、娘も、その山の上でねむっているかもしれません。なにぶん、遠い日本の南の果ての、小さな島のことであります。
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