日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

日本むかしばなし集119

时间: 2020-01-30    进入日语论坛
核心提示:山の神と子どもむかし、むかし、あるところに、おかあさんと子どもが住んでおりました。家が貧乏《びんぼう》だったので、子ども
(单词翻译:双击或拖选)
山の神と子ども

むかし、むかし、あるところに、おかあさんと子どもが住んでおりました。家が貧乏《びんぼう》だったので、子どもが十二になったとき、おかあさんにいいました。
「おかあさん、おかあさん、今までは、おかあさんに難儀《なんぎ》をさせましたが、わたしも、十二になったから、これからは、一生けんめいはたらいて、おかあさんに、らくをさせてあげます。」
そして、それから、おかあさんにかわって、毎日、毎日、山へたきぎをとりに出かけることになりました。おかあさんは、大喜びして、子どもに、べんとうを作って、持たせてやりました。
ある日のことです。子どもが、おかあさんの作ったべんとうを、木の枝《えだ》にぶらさげて、木の上に登って、枯《か》れ枝を折《お》っておりました。すると、そこへ、どこからか、しらがのおじいさんがやってきて、子どもに、くれともいわず、枝のべんとうを、ムシャムシャ食べはじめました。子どもは、上からそれを見て、
「へんなおじいさんも、あるものだなあ。」
と、思いました。しかし、また、
「きっと、あのおじいさん、おなかがすいて困《こま》っているのだな。それなら、きのどくだから、おべんとうをあげることにしよう。自分は、家へ帰れば、いくらでも食べられるから。」
そう、思いかえしました。それで、木をおりてくると、
「おじいさん、おじいさん、えんりょなくおあがりなさい。」
そういいました。おじいさんは、
「ありがとう。年をとると、おなかがすいてなあ。」
そういって、おべんとうを、みんな食べてしまいました。子どもは、たきぎを背負《せお》って家へ帰ってきましたが、帰るとすぐ、山で会ったおじいさんの話をしました。すると、おかあさんがいいました。
「そうか、そうか。それはいいことをしたね。それでは、あすは、そのおじいさんのぶんと、二つのおべんとうを作っておこう。」
それで、子どもは、そのあくる日、ふたつのべんとうを持って、家を出ていきました。山へいくと、前の日のとおり、それを木の枝へかけ、自分は上に登って、枯れ枝を折っていました。すると、しらがのおじいさんが、また、どこからかやってきて、枝のおべんとうをとって食べはじめました。しかも、一つ食べると、二つ目も食べております。子どもは、これを見ると、
「おじいさん、よっぽど、おなかがすいてるのだな。わたしは、家へ帰れば、いくらでも食べられるのだから、べんとうなんかなくてもいい。」
そう思って、木をおりると、おじいさんにいいました。
「おじいさん、おじいさん、えんりょなく、二つともおあがりなさい。」
おじいさんは、
「ありがとう。ありがとう。年をとると、おなかがすいてなあ。」
そういって、二つとも食べてしまいました。
三日目は、べんとうを一つだけもって山へ行きました。おかあさんがよそに行くので、子どもに、早く帰るようにと、おじいさんのぶんだけ作ってくれたのです。
山へ行って、木に登りかけたら、いつものおじいさんが出てきて、
「子ども、子ども、おまえは、気だてのいい、親切な子どもだ。それで、これから、おまえに、いって聞かせることがある。わたしは、この山に住む、山の神さまだ。」
そこで、子どもは、木からおり、神さまのまえの石に腰《こし》をかけ、神さまのことばを聞きました。
「これから西の方へ行くと、天竺《てんじく》というところがある。そこには、おまえが、今まで見たこともないような、りっぱなお寺がある。そこへ、これからお参りしてくるがいい。行くとき、だれかが、きっと、おまえに、たのみごとをするはずだから、そのたのみごとを聞いてやるがよい。」
おじいさんは、そういったかと思うと、もう、そこに、大きなカシの木になって立っていました。
子どもは、家に帰って、おかあさんに、その話をしました。おかあさんも、その話にだいさんせいで、それではというので、天竺行きのしたくをはじめました。ところが、天竺というのは、遠い遠いところで、行くのに、何日も何日もかかります。それで、米だの、みそだの、たくさん持っていかなければなりません。大へんだというので、おかあさんと相談して、近所の長者《ちようじや》のうちへ、米やみそを借《か》りに行きました。
「こんど、わたしは、天竺の、見たこともないような、りっぱなお寺へお参りに行きます。それで、申しかねますが、道中《どうちゆう》に入りような米とみそを、お貸しくださいませんか。」
そういうと、長者は、
「それは、けっこうなことだ。ついては、こちらにもたのみがある。うちの娘が、もう三年も病気している。その天竺の、見たこともないような、りっぱなお寺へお参りしたら、娘の病気のなおるように、お祈《いの》りしてきてくれないか。」
と、いいました。
「それは、おやすいご用です。」
そういって、子どもは、米とみそを借りて、天竺へ出立《しゆつたつ》しました。何日も何日も行ったところで、一軒《けん》のりっぱな家へ泊《と》めてもらいました。すると、そこの主人がいいました。
「おまえさん、どこへ行かれますか。」
子どもが、いいました。
「天竺のお寺へお参りにいきます。」
主人が、いいました。
「それは、いいところへ行かれます。それでは、ひとつ、おねがいがある。うちでは、サンダンの花という花を作って、それで、今まで暮らしてきた。ところが、近ごろ、そのもと木が枯れ、つづいて、二番木が枯れた。今は、三番木しか花がさかない。どうかして、もと木と二番木に、もう一度、花をさかせたい。天竺のお寺へお参りしたら、そのことを、お祈りしてきてくださらないか。」
「はい、はい、承知《しようち》しました。」
子どもは、これもひきうけて、あくる日、そこを出立しようとすると、主人が、
「この先に行くには、大きな川をわたらにゃならん。」
と、いいました。行ってみると、なるほど、大きな川がありました。わたろうにも橋はなし、一つの船も見えません。
「さて、どうしたものか。」
と、考えていると、川の向こう岸を、ひとりの女が通っております。見ると、顔がはれていて、目がどこやら、鼻がどこやらわかりません。みっともない女の人です。しかし、ものは問うてみろと思って、子どもは、声をかけました。
「おーい、この川、どうすれば、わたれるかあい。」
すると、女が、かげのようになって、すっと、水の上をわたって、子どものそばに飛んできました。そして、聞きました。
「子ども、子ども、おまえ、どこへ行くんだ。」
子どもは、いいました。
「天竺へ行って、お寺参りをするんだ。」
これを聞くと、そのみにくい女が、頭をさげてたのみました。
「それでは、一つ、たのみがある。じつは、わたしは、陸に千年、川に千年、海に千年と、生きてきたもので、ほんとうのところは、人間ではないのです。天にのぼろうと、長いこと苦心《くしん》しているのですが、のぼる術がわかりません。それがわからないままに、目がはれ、鼻がふくれ、みにくい顔になりました。天竺のお寺へ行ったら、どうすれば天にのぼれるか、仏さまにうかがってみてください。」
子どもは、
「はい、はい、承知しました。」
そういいました。すると、その女は、
「では、わたしの頭にお乗りなさい。」
と、子どもを頭に乗せて、すっと、川の上を飛んでいきました。見るまに、向こう岸につきました。子どもは、そこに立って、西の方を見ますと、丘の上に、りっぱなお寺がたっていました。それこそ、今まで見たこともないようなお寺だったのです。
「あれこそ、山の神さまに教えられたお寺だ。」
と、喜びいさんで、そのお寺をさして歩きました。お寺へつくと、そこには、あのしらがおじいさんの、山の神さまが立っていました。
「よく来たねえ。」
神さまはいいました。それから、
「とちゅうで、なにか、たのまれなかったか。」
と、いうのでした。子どもは、まず、自分の家の近所に住む長者の娘の話をしました。すると、山の神さまは、
「そんなことは、わけはない。その家のまわりにいる男たちをみんな集めて、娘に、盃《さかずき》をわたさせてみるんだ。うけとったあいての男に財産《ざいさん》をやって、娘のおむこさんにすれば、娘の病気は、すぐなおる。そのほかに、なにかたのまれなかったか。」
そう、聞きました。それで、子どもは、サンダンの花の話をすると、神さまは、
「それも、わけはない。」
といって、花の木の根もとに、二つ、金のつぼがうまっていることを、教えてくれました。
「それを掘って、一つを人にやり、一つを家の者がとれば、サンダンの花は、また、美しくさくようになる。」
つぎに、子どもは、川の岸で出会った女の話をしました。すると、山の神さまは、
「それは、その女が、にんじょという玉を持っていて、それが惜しさに、目がはれ、鼻がつぶれ、三千年たっても、天へのぼれないでいるのだ。それを人間にやりさえすれば、すぐでも、天にのぼっていける。」
そう教えてくれました。そして、見るまに、神さまは、また、前のように、大きなカシの木になってしまいました。子どもは、そこで、すぐひきかえし、おかあさんのところへ帰ることにしました。歩いてくると、大川の岸へ出ました。岸には、みにくい女が立って、待っていました。
「どうだった。」
そう、聞きました。
「今、話してあげますが、その前に、川をわたしてください。」
子どもは、いいました。そして、やはり、頭に乗せてもらって、川をわたりました。そこで、
「あなたが持ってるにんじょの玉を、人間におやりなさい。すれば、すぐに、天にのぼれます。」
これを聞いて、女は、玉を子どもの前に出しました。と、もう、遠くの方で、おそろしい大きな音がおこり、まわりが霧《きり》でうまってしまいました。子どもは、おそろしくなって、どんどん逃《に》げだしました。遠くまで逃げて、ふりかえって見ると、霧がはれて、水柱《みずばしら》が空高くあがっていました。女は、その水に乗って、天へのぼってしまいました。
子どもは、玉をふところに入れて、おかあさんのところをさして歩いてきました。やがて、サンダンの花の家へ来ました。そこの主人も、待っていて、子どもに、
「どうだった。」
と、聞きました。子どもは、おじいさんに教えられた話をしました。主人は、さっそく、花の根もとを掘って、金のつぼを二つ見つけだしました。それで、一つを子どもにくれました。すると、二本の花の木は、もうすぐ芽を出し、葉を出し、つぼみをつけ、美しい花をさかせました。
子どもは、玉と金のつぼとを持って、喜んで帰ってきました。長者は、それを待ちかねていて、娘の病気のことを聞きにきました。そこで、子どもは、神さまから教えられた話をしました。
長者は、さっそく、近所の男たちを残らず集めて、娘に、盃をささせてみましたが、娘は、だれにもさそうとしません。長者のすすめで、子どもが、娘の前に行ってみると、娘は、すぐ、盃を手にとって、子どもにさしだしました。
ところが、子どもは、どうしても、それをうけとろうとしません。長者が、
「神さまのなさったことだ。うけとってくれ。」
と、いいましたので、子どもは、とうとう、盃をうけました。すると、娘の病気は、すぐになおって、立ちあがると、おどりをおどりはじめました。
そんなことになったので、子どもは、母親をつれて、長者のおむこさんになり、いつまでも、しあわせに暮らしたということであります。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%