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日本むかしばなし集123

时间: 2020-01-30    进入日语论坛
核心提示:箕《み》作りと山姥《やまんば》むかし、むかし、彦太郎《ひこたろう》という箕《み》作りがありました。あるとき、山奥《やまお
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箕《み》作りと山姥《やまんば》

むかし、むかし、彦太郎《ひこたろう》という箕《み》作りがありました。あるとき、山奥《やまおく》へはいって、箕の輪を作っておりました。
みなさんは、箕というものをごぞんじですか。竹であんだ、大きなちりとりのようなものであります。お百姓《ひやくしよう》が、それを使って、はきよせたもみがらや、お米のまじったものを、よりわけるのに使います。風のふくところで、農家のおかみさんが、大きなちりとりを上下《じようげ》に動かして、中のものを投げては、下でうけてるような形を、ごらんになった人はありませんか。いなかの人は、よくごぞんじですが、あれが、箕を使っているところです。風に軽いものをふきとばさせ、重いものだけ、箕の上に残すくふうなのであります。
ところで、その箕には、かならず馬蹄形《ばていけい》(馬のひづめの形)をした一本の木がいります。それを、外の輪にするわけであります。しかし、木は、まっすぐなものですから、それをまげて、輪にしなければなりません。まげるのには、それを、火の上で、あぶりあぶり、まげるのであります。
で、その箕作りの彦太郎が、山奥で火をたいて、箕の輪まげをしておりました。すると、そこへ、山姥がやってきて、
「ああ、寒い、寒い。」
といって、彦太郎のたいてる火にあたりました。彦太郎は、これを見ると、おそろしい山姥でしたから、
(ははは、こりゃ、山姥だな。ようし、火灰《ひばい》でもはきかけてやろうかな。)
と、思いました。すると、山姥は、彦太郎に、すぐいいました。
「彦太郎、おまえは、おれに、火灰をかけようと思っているな。」
彦太郎は、これを聞くと、
(これは大へんだ。ようし、それなら、このごろ買った、あのよく切れるなたで、山姥のやつ、たたき切ってやろう。)
そう考えました。と、もう、山姥がいいました。
「彦太郎、おれを、なたで、たたき切ろうと思ったなあ。」
彦太郎は、思ったことを、じつにみごとにいいあてられて、また、
(これは、いよいよ、大へんだ。このぶんでは、おれは、この化《ば》けものに、くいころされてしまうことになるかもしれないぞ。)
と、思いました。と、山姥は、また、彦太郎の思ったことを、思ったとおりにいいあてました。
彦太郎は、思えばいわれ、思えばいわれするもので、もう、あきれかえってしまって、なにも思わないようにしました。そして、ただ、だまって、箕の輪にする木を、一生けんめいまげて、火にあぶっておりました。すると、そのまげた木にかけていた手が、かじかんでいて、いっぽうが、おもわず木からはずれました。それが、ちょうど、ばねのようになって、その木の先がはねかえり、火灰をいっぱい、山姥にはきかけました。
山姥は、その灰をかぶりながら、
「彦太郎、これは、おれが負《ま》けになった、おまえは、心に思わぬことをする男だなあ。」
そういって、ササ原の中へ、ガサガサと逃《に》げていきました。すこしたつと、そのササ原の中でうんうんいううなり声がしますので、彦太郎がそこへ行ってみますと、さっきの大山姥が、そこにたおれて、苦しがっていました。彦太郎は、いっぺんにこわくなって、道具《どうぐ》などかたづけて、家をさして逃げてきました。
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