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日本むかしばなし集124

时间: 2020-01-30    进入日语论坛
核心提示:アラキ王《おう》とシドケ王《おう》の話《はなし》これは、喜界《きかい》ガ島《しま》という、日本の南の果てにある島のお話で
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アラキ王《おう》とシドケ王《おう》の話《はなし》

これは、喜界《きかい》ガ島《しま》という、日本の南の果てにある島のお話です。むかし、むかし、こんな小さな島にも、何人も、王さまがいたことがありました。そのころ、アラキという、大へん力の強い王さまが、住んでおりました。もうひとり、シドケ王という、これも、力の強い王さまがいました。
あるとき、このアラキ王が、ひとつ、力くらべをしてやろうと思いたって、シドケ王のところへやってきました。
「シドケ王、おいでか。わしは、アラキですよ。きょうは、力くらべにやってきました。」
家の前で、大声にさけびたてました。すると、家の戸があいて、
「どうぞ、こちらへおはいりください。」
といったのは、シドケ王の奥さんです。玄関《げんかん》にはいると、
「シドケ王は、今、帰ってきますから、しばらく、ここで、お待ちください。」
奥さんが、こういいました。
ところで、その玄関の式台のまえに、鉄のあしだが一そく、そろえてありました。仁王《におう》さまのはくような大あしだです。そのそばには、鉄のつえが、立てかけてありました。これがまた、門柱のように太くて、六、七尺《しやく》(一尺は約三〇センチ)もあります。
「これは、なかなか、手ごわいあいてだ。」
アラキ王は、そう思って、そのあしだをはき、そのつえをついて、歩きだそうとすると、重くて重くて、足が、びくともうごきません。う——んと、力を入れて、うなっていると、にわかに、外が暗くなりました。戸のあいだから外をのぞくと、たきぎの山が、そこへ歩いてきます。
「おーい、帰ったぞう。」
大きなこの声で、シドケ王が、山のようなたきぎをかついで、帰ったことがわかりました。
「これは、かなわん。」
アラキ王は、いっぺんにおそろしくなって、そこからぬけだし、どんどん、じぶんの家の方へ逃《に》げていきました。シドケ王は、これを聞くと、
「ようし、それでは、これから、追いかけていって、どうしても、力くらべをしてくるぞ。」
と、かけだしました。シオミチという海ばたの道をかけてくると、向こうに、坂がありました。そこを、アラキ王は、かけのぼって、もう、向こうがわへおりかけていました。そこで、シドケ王が、雷《かみなり》のような声でさけびました。
「シオの坂、さがれーい。」
すると、ふしぎなことに、そのシオの坂が、ペコンと低くなって、平らになりました。
それでも、アラキ王は、まだ、風のように、はしって逃げていきます。もう、シオミチ村の村はずれです。また、シドケ王が、
「大川——、出ろ——」
と、さけびました。なにしろ、むかしのことですから、山だって、川だって、王のいうことは聞いたとみえ、シオミチ村の村はずれに、あっというまに、大川ができました。
逃げ足ばやのアラキ王は、その川を、ひと飛びに飛びこして、オデンというねえさんの家へ、かけこみました。
そこへ、シドケ王が、やっと追いつき、
「力くらべじゃ。アラキ王、さあ、出てこい。」
と、よびたてました。それを聞いて、アラキ王のねえさんが出てきて、
「力くらべは、まず、このあねから。」
と、いいました。シドケ王は、
「なんの、この女め。」
というと、ねえさんをひとつかみにして、屋根より高く投げあげました。
ところが、このねえさんも、なかなか力持で、落ちてくるが早いか、こんどは、シドケ王を、また、屋根より高く投げました。シドケ王は、運わるく、大きなクワの木の上に落ち、その枝のあいだにはさまれました。
からだをぬこうと、足をふんばると、その足のところに、これはまた、運わるく、ヒョウタンがたくさんころがっていて、ツルツルすべって、足に力がはいりません。
そこへ、アラキ王と、ねえさんがやってきて、
「どうじゃ、負けたか。」
というもので、ざんねんながら、勝負なしということで、ふたりの王さまは、それから、仲よくすることになったそうであります。
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