日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

日本むかしばなし集130

时间: 2020-01-30    进入日语论坛
核心提示:竜宮《りゆうぐう》の娘《むすめ》むかし、むかしのお話です。その家は、ほんとにふしあわせなうちでした。おかあさんと八人も子
(单词翻译:双击或拖选)
竜宮《りゆうぐう》の娘《むすめ》

むかし、むかしのお話です。その家は、ほんとにふしあわせなうちでした。おかあさんと八人も子どもがいたのですが、それが、七人まで死んで、いちばんすえのむすこだけ、残りました。そのうえ、お金もなければ、土地もありませんでした。しかたなくて、むすこが、山から花をとってきて、これを売って、暮らしておりました。
ある日のことです。花がちっとも売れなくて、むすこは、たくさんの花をかついで、海ばたを帰っておりました。波が、ザアッと、浜べによせてはかえし、よせてはかえししているのを見て、むすこがいいました。
「花を、うちへ持って帰っても、しかたがないから、海のなかの神さまにでも、さしあげよう。」
そこで、その花を、海の中に投げこんで、むすこは、大声でいいました。
「海のなかの神さま、そうれ、花をあげますぞう。」
すると、花は、見るまに、波の底にすいこまれるように、しずんでいきました。で、むすこが、身がるになって、うちへ帰ろうと歩きだしますと、ひょっこり、波の上に、カメが頭をのぞけてきました。そして、そのカメが、いいました。
「もしもし、ただいまは、たくさん、花をありがとう。」
むすこが立ちどまると、カメが、つづけていいました。
「わたしは、海の神さま、竜王《りゆうおう》さまのお使いです。花のお礼に来たのです。どうですか、海の御殿《ごてん》、竜宮というところへ、行ってみられませんか。わたしが、案内をいたします。」
むすこは、
「しかし、竜宮というところは、ずいぶん遠いところと聞きますが——」
と、いいました。すると、カメのいいますことに、
「いいえ、わたしの背中《せなか》に乗って、ちょっと、目をつぶってさえおられれば、一息つくまもありません。」
「それでは——」
ということになって、むすこは、浦島太郎《うらしまたろう》のように、カメの大きな背中に乗りました。カメは、海を泳いで、波をわけて、ほんとに、一息《ひといき》するまもなく、もう、竜宮へやってきました。大きくて、美しくて、それは、目のさめるような御殿でした。
ところが、竜宮へつくと、カメが、いいました。
「竜王が、あなたに、なにかほしいかと聞かれたら、およめさんがほしいと、いいなさい。」
竜宮では、むすこは、大へんごちそうになりました。海の音楽という、ふしぎで美しい音楽も、聞かせてもらいました。タイやヒラメの、おもしろいおどりも、見せてもらいました。そして、三日ばかり遊んで、いよいよ、帰るときになりますと、竜王が、いいました。
「竜宮のおみやげに、おまえさんは、なにがほしいか。」
そこで、むすこは、カメにいわれたとおり、
「竜宮の娘さんを、わたしのおよめさんに、くださいませんか。」
そう、いいました。そして、ひとりの娘さんをもらい、また、カメの背中に乗って、帰ってきました。ところが、どうでしょう。たった三日と思って、竜宮で遊んだ日にちが、帰ってみたら、三年もたっていました。そして、あとに残したおかあさんが、食べる物がなくて、家のそばの石にもたれて、ねむるように死んでいました。むすこが、どんなにかなしく思ったことでしょう。
「おかあさん、すみません。貧乏《びんぼう》ゆえに、すまないことをしました。」
と、涙《なみだ》を流しました。これを見ていて、竜宮のおよめさんが、いいました。
「泣《な》くのをおやめなさい。おかあさんなら、わたしが、もとどおり、生きかえらせてあげます。」
そして、竜宮から持ってきていた、『生きむち』というものを、とりだしました。それで、おかあさんのからだを、一なで、二なでしながら、水を、頭の上から、そろそろと、かけたのです。すると、今まで死んでいたおかあさんが、むちの一なでで、フウッと、一つ、大息をつき、二なででは、目をパチパチとひらき、三度目には、もう、立ちあがって歩きだしました。むすこも、おかあさんも、どんなに喜んだことでしょう。
ところで、おかあさんは、生きかえりましたが、さしあたり、三人の住む家がありません。それで、あたらしい家をたてることになり、野原の木を切りたおして、そこに、ひろい敷地《しきち》を作りました。そこで、およめさんが、竜宮から持ってきた、打出《うちで》の小づちというのをふって、
「家出ろ!」
と、いいました。すると、そこには、もう、大きな家がたっていました。まるで、光るような、りっぱな家でした。およめさんは、また、小づちをふって、倉を出したり、米を出したりして、みるみるうちに、大へんなお金持になりました。そのうえ、そのおよめさんは、三国一というほど、きれいなおよめさんでした。
「りっぱなおよめさん、美しいおよめさん。」
と、有名になりました。それが、まもなく、殿《との》さまのところへも、聞こえました。すると、殿さまは、
「そのようなおよめさんならば、うちへ来て、ここのおよめさんになってもらいたい。」
と、そんなことをいいだしました。そして、ある日、とうとう、むすこをよんで、いいました。
「米を千石《せんごく》(一石は約一四二キログラム)持ってまいれ。もし、持ってこなければ、おまえのおよめさんを、つれてまいれ。」
これには、むすこは、弱りました。どうしたらいいのか、わからないまま、頭をかかえて、家へ帰ってきました。心配そうなその顔を見て、およめさんが、聞きました。
「殿さまは、どんなご用でしたか。」
むすこには、そのへんじさえできません。すると、およめさんが、また、いいました。
「男ともあろうものが、そんなことで、どうしますか。」
しかたなく、むすこが、いいました。
「千石の米を持ってこられなければ、おまえをつれてこいと、おっしゃる。」
これを聞くと、およめさんが、いいました。
「なあんです。そんなことなら、ぞうさありません。」
およめさんは、その晩《ばん》、浜に出て、水をあび、竜宮のほうを向いて、ポンポンと、かしわ手を打ちました。そして、なにか、口のうちでいっていましたが、やがて、大波の中をすかして見るようにして、こっちこっちと、手まねきをしました。すると、どうでしょう。そこから、何百という馬が、みんな、背中に米だわらを負うて、つぎからつぎと、出てきました。そして、むすこの家の庭へ、その米だわらを、運んできました。
むすこは、大喜びして、すぐ、殿さまのところへ、使いの者をやり、
「千石の米を、すぐ、おうけとりください。」
と、いわせました。
殿さまは、ほんとうと思えないで、まず、役人を、見によこしました。ところが、まちがいなく、千石の米が、むすこの庭に、つみあげてありましたので、役人は、すっかりおどろき、大急ぎで御殿《ごてん》に帰って、そのことを、殿さまにいいました。殿さまも、おどろきましたが、
「それでは——」
ということになり、何百という馬を集めてきて、その千石の米を、馬の背中につんで、帰っていきました。
これで、しばらく、殿さまは、なにもいいませんでしたが、ある日のこと、また、むすこがよびだされました。そして、
「千《ち》ひろ(一ひろは、両手《りようて》を左右《さゆう》にひろげたながさ)のなわを、あすまでに、持ってこい。持ってこられなければ、およめさんをつれてこい。」
と、難題《なんだい》をいいつけられました。こんども、むすこは、困《こま》って、頭をかかえて、家に帰ってきました。
すると、前のように、およめさんが、聞きました。
「きょうのご用は、なんでしたか。」
むすこは、
「千ひろのなわを、あすまでに、持ってこいといわれるのだが、どうして、わたしに、そんなことができよう。」
そういって、また、かなしそうな顔をしました。これを聞くと、およめさんは、前のように、浜べに出ていって、波に向かって、手まねきをしました。
千ひろのなわは、見るまに、浜べにつみあげられました。そこで、また、殿さまに、そのことをいって、このなわを、御殿にとどけました。こんどは、
「この正月に、六百九十九人の家来《けらい》をつれて、おまえのうちへ、ごちそうになりに行く。あわもりという酒を、七十七つぼ、用意しておけ。」
と、いってきました。
まもなく、正月になりました。元日には、いよいよ、殿さまが、家来をつれて、やってきました。ところが、上から下まで、じゅんじゅんに、姿《すがた》を変えていて、殿さまが、いちばん下の家来になり、いちばん下の家来が、殿さまの姿になっていました。およめさんは、一目見ると、そのことを知りました。そして、六百九十九人のおぜん、ごちそうをならべ、いざ、みんなが、おぜんの前にならぶときになると、
「ちょっと、お待ちください。」
といって、殿さまを、いちばん先にすわらせ、それから、じゅんじゅんに、席につかせました。そして、四斗《と》(約七二・一二リットル)入りのお酒、七十七つぼをだし、そのほか、たいへんなごちそうもしました。すると、殿さまが、
「なにか、芸を出して見せないか。」
といいましたので、およめさんが、
「どんな芸を出しましょうか。」
といいますと、
「あらい芸が見たいね。」
と、殿さまは、いうのでした。
「それでは——」
というので、およめさんは、手に持っていた小さな箱《はこ》をあけました。と、そのとたんに、中から、何百人という人間が、みんな、同じような着物を着て、おなじようなはかまをはいて、出てきて、おもしろい歌をうたい、おもしろいおどりをおどりました。殿さまも、家来たちも、大へんおもしろがって、
「こんどは、こまかい芸をだして見せろ。」
といいますと、およめさんは、
「こまかいほうは、みなさん、あぶのうございますよ。」
と、いいました。しかし、
「いや、あぶなくてもかまわん。どんどん、やって見せろ。」
と、殿さまがいうのでした。
「それでは、出しますよ。」
およめさんは、そういうと、こんどは、べつの小さい箱をあけ、
「それっ。」
と、力をこめたかけ声をいたしました。と、どうでしょう。その中から、はちまきをし、刀を持った何百という人が出てきて、見るまに、殿さまや家来たちに切ってかかりました。それで、殿さまやけらいは、「これはかなわん。」と、大あわてにあわてて、逃げだし、みんな、御殿に帰ってしまいました。
それからは、もう、こりごりしたとみえ、殿さまも、むすこのところへ、難題をいってこなくなり、むすこは、おかあさんとおよめさんと三人で、安楽に暮らしました。めでたし、めでたし。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%