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日本むかしばなし集138

时间: 2020-01-30    进入日语论坛
核心提示:キノコのお化《ば》けむかし、鎮守《ちんじゆ》の森のお宮の裏《うら》に、毎晩《まいばん》、化けものが出てきて、歌をうたった
(单词翻译:双击或拖选)
キノコのお化《ば》け

むかし、鎮守《ちんじゆ》の森のお宮の裏《うら》に、毎晩《まいばん》、化けものが出てきて、歌をうたったり、おどったりしているといううわさがたちました。
村のひょうきんなおじさんが、
「よし。それでは、おれが、行って、見とどけてくる。」
そういって、夜になるのを待って、お宮へ出かけていきました。お宮の後ろへまわってみますと、なるほど、おおぜいの小人《こびと》どもが、手を打って、歌をうたって、ヨイコラサッサなどと、はやしたてて、盆《ぼん》おどりのようにおどっておりました。おどりのすきなおじさんのことですから、すぐ、手ぬぐいでほおかむりして、小人の中にまじって、いっしょにおどりだしました。おどりながら、おじさんは、小人のひとりに、聞きました。
「おまえたちは、いったい、なんの化けものだ。」
すると、その小人が、
「おれたち、ほんとは、キノコの化けものだ。しかし、おまえは、いったい、なんの化けものだ。」
と、聞きかえしました。
「おれは、人間の化けものさ。」
と、おじさんが、こたえますと、キノコの化けものが、かさねて、
「おまえは、それで、なにがいちばんきらいだ。」
と、聞きます。
おじさんは、
「おれは、大判、小判、そんなぜにが、いちばんきらいだ。」
と、こたえておいて、
「して、おまえは、なにがきらいかね。」
と、聞きかえしました。
すると、小人は、こたえて、いいました。
「おれは、ナスの塩水が、いちばんおっかない。」
それから、しばらくおどっているうちに、化けものたちが、
「そうら、そうら、ぶっつけるぞ、ぶっつけるぞ。」
そういいながら、てんでに、大判、小判を持ってきて、おじさんめがけて、投げつけました。おじさんは、わざと、
「ああ、こわい。やれ、こわい。こわい、こわい、こわい。」
といいながら、スタコラ、逃《に》げて帰ってきました。
そして、大急ぎで、ナスの塩水を、どっさり作り、それをかついで、おどっている化けものたちのところへ、やってきました。
そして、
「そうら、ぶっつけるぞ、ぶっつけるぞ。」
そういいながら、ナスの塩水を、ひしゃくで、小人の頭から、どんどん、ぶっかけました。化けものどもは、ちりぢりになって、いつのまにか、いなくなってしまいました。
おじさんは、そこらにちらばっていた大判、小判を、かき集め、拾い集めて、家に帰っていきました。
おじさんが、翌朝《よくあさ》、お宮の裏へ行ってみますと、そのへんの木の株《かぶ》にはえていたキノコが、みんな、なえひからびていました。
それからのち、鎮守の森には、化けものが出なくなったということです。おじさんのほうは、大判小判を、どっさりもらって、大金持になりました。
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