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日本むかしばなし集139

时间: 2020-01-30    进入日语论坛
核心提示:お化《ば》け茶釜《ちやがま》むかし、むかし、もんじゃの吉《きち》という、ばくちうちがおりました。ばくちに負けて、程島《ほ
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お化《ば》け茶釜《ちやがま》

むかし、むかし、もんじゃの吉《きち》という、ばくちうちがおりました。ばくちに負けて、程島《ほどじま》というあたりを通って、帰っていますと、キツネにあいました。
「キツネどん、キツネどん、おれに、ひとつ、たのまれてくれないか。」
すると、キツネが、いいました。
「それは、いったい、どんなことかい。」
「ほかでもないが、上等の茶釜に化けてもらいたい。」
すると、キツネのいうことに、
「重箱《じゆうばこ》一つのこわ飯《めし》と、油ニシン一たばを、持ってきてくれるなら、茶釜に化けてやってもいい。」
そこで、もんじゃの吉は、さっそく、アズキ飯と油ニシンを、ふろしきにつつんで、やぶの中のキツネの穴《あな》へ、持っていきました。
「はい、キツネどん、持ってきたぞ。」
キツネは、それを見ると、ポンと、ちゅうがえりをして、もう、りっぱなあられ茶釜に、化けていました。
もんじゃの吉は、ほくほくもので、茶釜をふろしきにつつんで、山寺の和尚《おしよう》さんのところへ、持っていきました。
「和尚さん、和尚さん、いい茶釜を見つけました。三両で、買ってくださいませんか。」
和尚さんは、大気《おおき》にいりで、すぐ、三両をはらいました。すぐにも、お湯をわかしてみたくなり、小僧をよんで、いいつけました。
「この茶釜を、まえの川へ持ってって、きれいに、といできておくれ。」
そこで、小僧は、川へ行って、砂《すな》をかけて、ゴシゴシ、ゴシゴシ、みがきました。茶釜のキツネは、いたくてたまりません。
「小僧、いたいぞ。そっとみがけ、そっとみがけ。」
と、さけびました。
小僧は、びっくりして、飛んで帰り、
「和尚さま、和尚さま、この茶釜が、小僧、いたいぞ、そっとみがけ、と、申しました。」
和尚さんは、
「心配ない。あたらしい茶釜というものは、そういうことをいうものじゃ。だから、よくみがかなくてはいけない。」
小僧は、また、川へ持ってって、ゴシゴシ、砂をつけてみがきました。
すると、茶釜は、また、
「こら、小僧、いたいじゃないか。そっとみがけ、といってるのが、わからんか。」
しかし、小僧は、こんどは、へいきで、ゴシゴシ、ゴシゴシ、みがきました。それがすむと、水を入れて、いろりの火にかけました。
すると、また、茶釜は、
「小僧、あついぞ。火をけせ、火をけせ。」
と、どなりました。
小僧は、びっくりして、また、和尚さんのところへいって、
「和尚さま、和尚さま、茶釜が、また、小僧、あついぞ、火をけせ、火をけせ、と、申しました。」
すると、和尚さんがいうことに、
「あたらしい茶釜というものは、そういうことをいうものじゃ。えんりょせずに、うんと火を燃《も》しなさい。」
小僧は、火を、どんどん燃しました。すると、こんどは、茶釜から耳が出てきました。小僧は、またも、びっくりして、
「和尚さま、和尚さま、茶釜から耳が出ました。」
そういっているまに、頭が出て、しっぽが出て、足が出てきました。
「和尚さま、和尚さま、頭が出て、しっぽが出て、足が出ました。」
すると、和尚さんは、
「あたらしい茶釜というものは……」
そういいおわらぬうちに、茶釜は、火の上からとびのいて、
「あついぞ、小僧。焼けるぞ、和尚。コンコン……」
そういって、キツネの正体をあらわして、後ろの山へ、逃げていってしまいました。
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