返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

日本むかしばなし集158

时间: 2020-01-30    进入日语论坛
核心提示: 三あくる日のことです。まみちがねは、長者のいいつけで、まぐさを刈《か》りに行きましたが、ろくにまぐさも刈らずに、手ぶら
(单词翻译:双击或拖选)
 三

あくる日のことです。まみちがねは、長者のいいつけで、まぐさを刈《か》りに行きましたが、ろくにまぐさも刈らずに、手ぶらで帰ってきました。
「手ばかり切って、わたくしには、草は刈れない。庭はきをやらしてください。」
そこで、庭をはかせますと、こんどは、
「手にまめばかりできて、庭はきも、できません。台所をやらしてください。」
と、申します。
「それじゃあ、すきなようにやってごらん。」
そう、長者がいいましたので、まみちがねは、
「では、七人の人を、一日、使わしてください。」
と、たのみました。長者は、まみちがねのいうとおりにしてやりました。
まみちがねは、七人の人を、ひとりは、土をとらせ、ひとりは、石をとらせ、ふたりには、水をくませ、ひとりには、わらを切らせ、ふたりには、土をこねさせて、みるまに、七つのかまどをつくりあげました。まみちがねは、この七つのかまどで、台所のしごとを、いろいろと、とりはからいました。すると、三度の食事も、ひじょうにつごうよくできて、長者の家の人たちは、みんな、大喜びでした。今までは、朝ごはんが昼になり、昼ごはんは夕方になり、夕ごはんは夜中になって、やっと、できあがるというしまつでした。それが、こんどは、夜があければ、すぐ、朝ごはん、昼になれば、ちゃんと、昼ごはん、お日さまが落ちれば、もう、夕ごはんです。それで、みんなのしごとも、とても、はかが行くようになりました。
主人は、たいそう喜んで、
「これは、いい人が見つかったものだ。おまえは、いつまでも、この家で、働いておくれ。ところで、あすは、しばいがかかって、おどりがあるそうだから、きょうよりも早く、おべんとうを作ってくれ。」
そう、いいつけました。朝早く、みんな、ごはんを食べると、主人は、まみちがねに、
「おまえも、わしの供《とも》をしなさい。」
そう、いいましたが、まみちがねは、
「きょうは、わたくしの母が死んでから、三年目の命日《めいにち》です。おしばいなんどには、行けません。」
と、ことわりました。
「それでは、るすばんをしていなさい。わしたちは、見物してくるからな。」
そういって、主人は、家の人たちみんなと、出ていきました。まみちがねは、ひとり、あとに残ると、すぐふろにはいり、おじいさんの家にあずけておいた、美しい着物を着て、りっぱなあしだをはき、竹山の馬をよんでくらをかけ、しばい小屋の北の方に立って、
「まみちがねの馬が、おどりを見るぞ。」
と、ひとむちあてると、馬は飛んで、南の方におりました。殿さまも、見物人も、馬に乗って、空からおりるまみちがねを見て、
「天の神さまがこられたぞ。おがめ、おがめ。」
と、みんな、手をあわしておがみました。長者も、その家の者も、みんな、おがみました。ただひとり、長者の娘だけは、
「あれは、家の台所にいる灰坊だ。左の耳に、黒いほくろがある。」
そう、いいました。灰坊というのは、台所で、灰をかぶって働く人のことです。親の長者は、それを聞いて、
「天の神さまに、無礼なことをいうものでない。早くおがみなさい。」
といって、しかりました。それで、娘は、笑いながら手をあわせました。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%