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日本むかしばなし集172

时间: 2020-01-30    进入日语论坛
核心提示:熊「みんなお聞き。」晩の御飯の時にお父さんがいいました。「今日アメリカの叔父《おじ》さんから手紙が来たんだ。来年になった
(单词翻译:双击或拖选)

「みんなお聞き。」
晩の御飯の時にお父さんがいいました。
「今日アメリカの叔父《おじ》さんから手紙が来たんだ。来年になったらいよいよ日本へ帰って来るって、それで、みんなに、どんなお土産を買って行こうかって——。」
これを聞くと、善人も富士子も、圭介も、御茶碗を口の側にくっつけながら、みんな一度にニコニコしました。
「何がいいだろう。」
まず善人が茶碗を置いていいました。しかし富士子も圭介もニコニコしているばかりで、中々何ともいいません。
「富士チャン何にする?」
「わたし——。」
茶碗を置いたが、富士子はいつ迄もニコニコしております。
「早くいいなさい。」
「わたし? いいもんよ。」
「いいもんて、何だい?」
「いいもん。」
「じゃあ、圭介何だい。」
「僕? 何にしようかな。」
圭介は頭を傾《かし》げました。
「ウン、そうだ。僕、オートバイだ。子供のオートバイだ。あ、違う違う。オートバイは止《よ》しだ。僕、飛行機だ。子供の飛行機だ。乗れる奴だ。僕それに、乗って飛ぶんだ。僕んちの屋根から学校の方へぶーんって飛んで行くんだ。面白いぞう。」
圭介はもう一人で面白がって、手真似で飛行機の飛ぶ恰好《かつこう》などをやりました。
「馬鹿ッ。」
兄さんがこれを見ると、こう叱りつけました。
「圭介に飛行機なんか乗れるかい。」
「乗れるよ。子供のだもの。だって、島田の忠ちゃんがいったんだもの。」
「馬鹿っ。そんな子供飛行機なんてありゃしないよ。」
「ないの!」
圭介は目を見張って暫《しばら》く考え込みました。その間に兄チャンは富士子にたずね出しました。
「わたし?」
富士子は富士子で、また色々なものが頭に浮んで、どれがいいんだか、全く困ってしまいました。
「だって、お人形がいいのはいいんだけれど——綺麗な鋏《はさみ》もいるでしょう。それに靴だって、それから美しい手箱だって欲しいんだもの。」
「駄目だ。一つでなくちあ駄目だ。ねえ、お父さん、そうでしょう。三つも四つもいっちゃ、叔父さんに怒られちまうでしょう。」
お父さんは笑っていました。そこでとにかくその晩はみんなで考え明日の朝何か一つ定めて、兄チャンから叔父さんへ手紙を書くことにきまりました。
さて翌日の朝、みんなが御飯を食べておりますと、寝坊をした圭介が床の中から大きな声で呼びかけました。
「兄チャン、僕ぁ熊だあ! 熊にする、熊がいいんだッ。」
みんなは、一寸《ちよつと》何のことだか分りませんでした。それで兄さんが聞きました。
「圭介、何を云ってるの。早く起きて御飯にしなさい。」
だけど、圭介は聞きません。大変な意気込みです。
「ウウン、熊だッ。熊でなくちあいやッ。熊でなかったら駄目だからあ。」
みんなは吹き出しました。
「何をいっているんだい。夢を見たんだろう。」
兄チャンが云いました。だが、圭介はききません。
「熊だよ、熊だよ、熊だよ。」
もう圭介は床の中で一人であばれております。そこで母さんが飛んで行きました。
「まあ、圭介は何をいってるの。さあ、起きなさい。母さんが顔をふいたげますから。今朝はあんたの好きなお卵があるんだよ。」
母さんは圭介を抱き起すようにしました。しかし圭介は、それでもききません。
「熊でなくちあいや、僕、熊でなくちあいや。」
しきりに頭を振っております。
「よしよしよし。じゃあ熊にしたげますよ。熊にしたげたらいいでしょう。さ、さー。」
お母さんは熊がアメリカの叔父さんのお土産とも分らず、とにかく熊々とやかましく云うもんで、こんな返事をしてしまいました。するともうニコニコして、圭介は食事にやって来ました。
「ヘン——、僕なんか熊だあ。いいなあ、熊に乗ってその辺を歩くんだ。兄チャンなんか、一遍に食べられてしまうよ。わあーッていってかかって行くから——。」
こんなことを云って、兄チャンにかかって行く真似をしました。
「馬鹿ッ、おつゆがこぼれるじゃあないか。」
兄チャンに叱られても、圭介は大機嫌です。これでもまだみんなは圭介が昨晩中遅く迄考えぬいて、金太郎の話から思いついた熊——叔父さんのお土産とは気がつきませんでした。それで、
「圭介は馬鹿な奴だなあ。」
そんなことをいいながら御飯を食べていました。すると、圭介が聞きました。
「兄チャン、いつ手紙書くの。」
「手紙って?」
「アメリカのおじさんじゃあないか。」
「ウン、あれか、直ぐ書くよ。」
「フン。」
そういうと、圭介はまた嬉しそうにニコニコしました。
「僕なんか熊だ。いいなあ。お父さん、早く熊のお家造って頂戴。」
「ウン? 熊?」
これを聞いて、お父さんのみならず、みんなビックリしてしまいました。しかし圭介は大得意です。
「ウン、熊、僕、おさかななんか釣って来てやるんだ。お父さん、熊は何を食べるでしょう。」
みんな顔を見合せましたが、今さら何といいようもありません。
「ウン、熊だと、何でも食べるね。牛だって馬だって。」
「|はや《ヽヽ》だの、鮒《ふな》だのは。」
「そりゃ食べるよ。」
これを聞くと、圭介は大喜びで、直ぐ鮒釣りに行く仕度にかかりました。
「僕なんか熊だ! 姉さんなんか人形だろう。人形なんか直ぐ熊が食べてしまうから。」
そう云うと、圭介は四つ這《ば》いになり、
「ウオー、ウオー。」
と熊の鳴声をして、姉さんの富士子や、兄さんの善人の方へ頭を振り振り恐ろしい顔をして這って行きました。
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