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日本むかしばなし集189

时间: 2020-01-30    进入日语论坛
核心提示:おどる魚雨があがりました。そして遠くの丘の上に美しい虹《にじ》が立ちました。これを見ると、三平は俄《にわ》かに外へ出たく
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おどる魚

雨があがりました。そして遠くの丘の上に美しい虹《にじ》が立ちました。これを見ると、三平は俄《にわ》かに外へ出たくなりました。だって、こんな虹の日には、川や溝《みぞ》にそれは沢山の魚が居るのですもの。
三平は網をかつぎました。籠《かご》を腰に下げました。そして跣足《はだし》になって、外へ飛び出しました。川へ行く道々、三平は考えました。
「今日はどんな魚がとれるだろう。鯛《たい》、章魚《たこ》。」
いいえ、こんな鯛だの、章魚だのは川に住んではおりません。
「じゃ、鯨《くじら》。」
いいえ、いいえ、鯨となると、大海も大海、太平洋のような大きな海でないと住んでいません。それに長さ十メートルも二十メートルもある大きなものですから、三平なんぞに、とても取れっこありません。
「じゃ、やっぱり鯉にしよう。一メートルもある大鯉。跳ねるだろうな。もしかしたら、五メートルも十メートルも跳ね上るかも知れないぞ。だって構わないや。落ちて来る処に籠を受けさえすれば、網をつかわなくても、どんどん籠の中へ入ってしまわあ。」
一人でそんなことを考えたり言ったりしている内に、もう川の側へやって来ました。川には両岸にところどころ柳が生えていて、青々と茂ったその葉が川の上で幾つもトンネルのようになっていました。そのトンネルの下を水が一杯、もり上るようになって流れていました。しかし雨の後なもので、今日はその水が少し濁っていました。濁っていなければ、きっと沢山の魚が、そうです、一メートルの鯉や、それから、ひげを生やした鯰《なまず》や、大きなハサミを持ってる蟹《かに》や、それから子供のような鮒《ふな》などが運動会のように喜んで遊んでいるのが見られるのです。でも、この川は幅も広く、底も深く、三平の網ではどうすることも出来ません。三平の魚をとるのは、この川から側の田圃《たんぼ》の方へついている小さな溝なんです。それは田圃へ水を入れる水口で、幅も長さも五十センチくらいなものでした。その一方に網を受け、一方から足を入れて、ザブザブザブと追い立てるのです。逃げ場を失った魚が網の中へ飛び込むという訳でした。
「さあ、どうだ。ザブザブザブ、鯉入ってろ。」
まず第一の水口をやってみました。網を上げると、や、いました、いました。鯰です。ヒゲをはやした鯰です。網の中でおどっております。ピンピン跳ねております。そこで三平は道の上に網を置き、両手でその鯰を押さえ付けました。押さえ付けてみると、長さ十センチ、思った程大きくありません。ヒゲは生やしていても、今年生れたばかりのまだ一つの鯰の子供です。でも、それを籠に入れました。
「さあ、こん度はどうだ。」
次の水口へ行きました。
「ザブザブザブ、鰻《うなぎ》入ってろ。一メートルの大うなぎ。焼いてもらって食べてやる。」
網を上げると、何だか二匹も三匹も跳ねてるものが入っています。何でしょう。何だか小さい魚らしいです。網を道の上に置いてみますと、三匹の子供の鮒です。五センチほどもありません。でも、まあいいことにいたしましょう。三匹も入っていたのですもの。また籠の中に入れました。
「次は蟹だ。どうしても蟹を取る。」
三平は言いました。しかし考えてみますと、蟹にはハサム爪があります。大きな爪で指をはさまれたら、チョキンと切れてしまうかも知れません。だったら、亀の方がいいでしょうか。小さい可愛らしい亀。それなら幾匹とれてもよろしいが、でもまた亀の中にはスッポンというものがいて、これは人間に噛《か》み付きます。噛んだら、亀の首がちぎれてもはなさないそうです。じゃ、やっぱり鯉の方がよろしい。
「鯉よおれい、鯉。」
こうして三平は溝口を次から次へ、網を受けては追い、受けては追いして行きました。そして一つの石橋の処まで来た時には、もう籠の中に鮒を二十、鯰を三匹もとっていました。鮒の中には二十センチからある大鮒もいました。そんなのがみな一緒になって、籠の中でバタバタと跳ねたりおどったりしていました。鯉はいなくても、こんなにとれたら、いいではありませんか。それで三平は橋の上に腰をかけ、足を水の上に垂らして、しばらく休むことにいたしました。籠も水の中につけて、魚を泳がせてやりました。
そうして川下の方を眺めますと、いつの間に立ったのでしょう。川岸の柳の木の上にうすく一筋の虹が、まるで消えかかるようにして残っておりました。
「今消える。今消える。今消える。」
三平は口の内で言ってみました。その内、だんだん虹は消えて行きました。丁度虹が消えてしまった時であります。その虹の立っていた柳の木の根元の草の中で、何だか銀色に光っているものが見えました。何でしょう。大きなものです。しかも、これが跳ねております。ポンポン一メートルも上へ跳ね上っております。
「鯉だッ。きっと、そうだ。」
三平は籠を下げて、網をかついで駈け出しました。近よれば近よる程、とても大きなほんとうの鯉です。やはりポンポン跳ねております。そこを駈け寄って、網をばさりと冠《かぶ》せました。「やあい、大鯉だあ。」
ところが、冠せた網の上からシッカリ押さえ付けて、よく見ますと、側の草の中で動くものがあります。それが大きな蟹でした。蟹は大きな爪を立てて、ハサミを開いておりました。鯉と戦争でもしていたのでしょうか。それとも鯉と二人で草の中で遊んでいたのでありましょうか。でも、三平は蟹は恐いので捨てておいて、鯉だけ網に入れ、大喜びで家に帰ってまいりました。
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