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「まさか」の人に起こる異常心理10

时间: 2020-01-31    进入日语论坛
核心提示:耳を切り落とした精神テンカンのゴッホ テンカンという病気がある。この病気に対する大衆のイメージは、「泡を吹いて倒れる病気
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耳を切り落とした精神テンカンのゴッホ

 テンカンという病気がある。この病気に対する大衆のイメージは、「泡を吹いて倒れる病気」「ケイレンを起こして倒れる病気」といったところだろう。
ところで、テンカンといってもいろいろの種類がある。いわゆる素質的なものを「真性テンカン」といい、後天的な原因で起こる、いわば外因性のものを「症候性テンカン」と称している。
戦時中は、砲弾、銃弾などによる頭部外傷や、爆弾の爆風によるテンカンが数多く見られた。近ごろは交通事故、災害などによる頭部損傷によるもの、アルコール依存症の大量飲酒によるケイレン、また進行麻痺の初発症状がケイレン発作によって始まるものなど、後天的なものがふえた。
典型的なケイレン発作は、ドストエフスキーの作品に見られるとおりだが、十九世紀後半における偉大な作家、フローベルのケイレン発作を友人のマクシム・デュ・カンが描写した文章でも見ることができる。
 ……突然彼は上を向き蒼白となり、眼つきは苦悶の色を現わし、絶望的に両肩を挙げた。彼は言う。「左の眼が燃えるようだ」。そして少しして「右眼も火のようだ。何も彼も金色に見える」。この状態が数分続き……顔色は益々蒼くなり、絶望的な表情になり、急にベッドの方に走り、生きながら棺に入るような暗い面持で横臥した。次いで今でも私の耳に残っている程の特有の調子の叫び声と共に痙攣が始まり、それに続いて深い睡眠と数時間も続く疲労状態とが来た。
 ケイレン発作と意識喪失は右のとおりであるが、中には意識もはっきりし、ケイレンも起こさず、倒れもしないテンカンもある。いわゆる「精神テンカン」と称するものである。 ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの病気を、ヤスパースのように精神分裂病と想定した人もいるが、わが国の故式場隆三郎博士はじめ世界の多くの学者は、これはいわゆる精神テンカンの範疇に入るであろうと認めている。
そこで、「側頭葉テンカン」という精神運動発作のみの病型が登場する。症例の一つとして、カッとして前後の見境がなくなる行動をとることがある。ゴッホはゴーギャンの顔にアブサンという強い酒を浴びせかけ、あとでその記憶がないと言ったことがあったという。みずから耳を切り落としたのも、精神運動発作の結果と考えられるのである。
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