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「まさか」の人に起こる異常心理31

时间: 2020-01-31    进入日语论坛
核心提示:大阪・池田小学校の児童殺傷事件 二〇〇一年(平成十三年)六月八日、大阪府池田市の大阪教育大学付属池田小学校に出刃包丁を持
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大阪・池田小学校の児童殺傷事件

 二〇〇一年(平成十三年)六月八日、大阪府池田市の大阪教育大学付属池田小学校に出刃包丁を持った男が乱入、一、二年生児童と教師の計二三人が被害を受け、うち一年男児一人、二年女児七人の計八人が胸や腹を刺されて死亡、児童七人と教師一人が重傷を負った。犯人は宅間守という三十七歳の男だった。
宅間容疑者は九八年三月、別れた妻をなぐった傷害容疑、九九年三月、伊丹市立小学校の技術員だったとき、同僚に精神安定剤の入ったお茶を飲ませたとして逮捕、九九年十一月には住居侵入容疑で再逮捕されている。精神安定剤混入事件では、西宮市の精神科病院に措置入院。その後、この病院への入退院を繰り返す。
二〇〇一年五月、医師のすすめで四度目の入院をしたが、一日で退院。医師は通院を指示したにもかかわらず、来院しなかった。二〇〇〇年九月、大阪のタクシー会社に入社したが、客とのトラブルを起こして翌年解雇。同年十一月、運送会社にトラック運転手として入社後、間もなく解雇された。
興奮しやすく、対人関係不如意、空笑、独語も認められ、診断は精神分裂病だった。本人は「何もかもいやになり、どうでもよくなった。エリート校の子どもを殺せば死刑になると思い、やった」などと供述しているという。
この事件直後、マスコミの論調は、われわれが以前から考えている方針の応援団のようだった。しかし、時間がたち、興奮がおさまったころが心配だ。
わが国には犯罪を犯した精神障害者の処置として措置入院というものがある。警察からの通報により、精神保健指定医二人が鑑定、二人の意見が一致して初めて強制収容が認められる。そして放火、殺人などのおそれがなくなったと主治医が判定すれば措置解除、やがては退院、社会復帰となる。ただし、あくまでその時点での判定で、全人格的な判定ではない。正直のところ、過去に重大な社会的要素がなければ、どうしても甘い判定にならざるをえない。
しかし一〇〇パーセントでないにしろ、将来、再犯のおそれが予測される場合、社会の安全を守るため、普通の精神科病院以外の施設をわれわれは考えていた。西欧の国々ではみなそうした施設を持っている。私はアメリカ、英国、オランダなどの施設を見学したが、高い塀などによって社会から隔離されているものの、一歩中に入ると花が咲き乱れ、生活環境もまあまあで、治療設備も高水準である。
昔、わが国では「保安処分」、のちに「治療処分」と称していたが、その名称はともかく、わが国にも西欧諸国のような施設がほしいと考え、何回か会議を開いたが、強力な反対にあい、その構想はつぶれて現在に至っている。その反対グループはいわゆる人権派の弁護士や一部の精神医療従事者たちであった。
われわれは会合のたびにそういうグループになぐり込みをかけられ、しまいには会合場所も秘密にせざるをえない状況だった。たとえば何駅の前に集合し、そこで初めて会合場所を指示するといったあんばいで、その後「保安処分(治療処分)」という言葉は禁句同然になった。
英国その他の諸国では、犯罪を犯した人は、たとえ精神障害者でもきちんと裁判を受けることになっており、退所の場合でも、精神科医と裁判官の両者がタッチすることになっている。いまのわが国の制度ではどうしても甘い判定が下されるおそれがある。
人権を重視するのは近代国家としてあたりまえであるが、わが国の場合、人権が偏り、偏在していることは、幅広い考え方を持つわれわれ良識派の最も心配しているところだ。亡くなった子どもたちの霊は必ずやわれわれの望む方向に進むことを祈っているであろう。
小泉総理も池田小学校児童殺傷事件に関連して法の見直しを指示した。日本は何か重大な事件が起こったり、外圧がないと改革できないお国柄であるが、この不幸な事件をバネにして、改革への第一歩を踏み出してほしい。「鉄は熱いうちに打て」のことわざどおり、ほとぼりの冷めないうち、マスコミの論調が冷めないうち、反対派の台頭のないうちに、だ。わが国は国際社会の一員なのだ。国際的に孤立してはいけない。
そういう施設を造り、法の整備をすることが、「精神障害者は危険」という誤った観念を打破することに通じる道になるのだ。
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