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「まさか」の人に起こる異常心理33

时间: 2020-01-31    进入日语论坛
核心提示:心因性疼痛障害 かくして三年の放浪の末、心療内科のH先生と出会い、九六年一月、同先生が副院長を務める南熱海温泉病院に入院
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心因性疼痛障害

 かくして三年の放浪の末、心療内科のH先生と出会い、九六年一月、同先生が副院長を務める南熱海温泉病院に入院する。
H先生から「心身症です」と告げられたとき、夏樹さんは「そんなバカな」と信じることができなかったが、森田療法(一九一九年ごろ、慈恵医大の森田正馬教授によって開発された心理療法)や絶食療法(十二日間、それに復食期五日間)を施行するうちに、夏樹さんの心の中に、ある目覚めのようなものが兆し始めた。
夏樹さんの性格特徴は「合理性が強く、協調性が若干落ちる特徴から、合理主義者でやや自己中心型の性格傾向がある」と出た。そして診断は「心因性疼痛障害」であった。
病院側として注意すべきことは、「患者は著名な作家(夏樹静子)と主婦(出光静子)という二つの顔を持っている。当院としては、主婦・出光静子としてとり扱うこと」だった。人格の大部分を占める夏樹静子さんをスパッと切り捨てること、それが治療の原点だった。
腰痛がなだらかなスロープを描いて快方に向かっていったのではない。インフルエンザや腸チフスの発熱と同じように、循環的に軽さと重さを繰り返している。腰痛の出現のたびに、心因を否定し、治療者を攻撃するエネルギーが夏樹さんの中に出没した。
入院前にも、H医師と夏樹さんの間で、ファクスのやりとりが十九回もあった。最初は心因などまるで耳を貸さなかった夏樹さんが、いつの間にか「心因か否か」という疑問に正面から向かうようになっていた。
入院中、H医師の質問に夏樹さんはすなおに答えた。「これほど洗い浚い、自分のことを人に話した経験はいまだかつてなかった」と夏樹さんが書いているように、そういう雰囲気がいつの間にかH医師との間にかもし出されていた。
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