返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

「まさか」の人に起こる異常心理45

时间: 2020-01-31    进入日语论坛
核心提示:病感も消え、やがて病識がなくなる「心の病で、どういう状態がいちばん重いのですか」とよく質問を受けるが、簡単に言えば、「自
(单词翻译:双击或拖选)
病感も消え、やがて病識がなくなる

「心の病で、どういう状態がいちばん重いのですか」とよく質問を受けるが、簡単に言えば、「自分が病気と思わないこと」と答えることが多い。自分の状況を客観的に認識する、つまり自己のマイナスの部分を認めることが普通である。これを、「病識がある」と表現する。うつ状態や神経症(ノイローゼ)の患者はおおむね病識がある。一方、自分の病的状態を認識しない、つまり病識が欠如している、その代表選手が精神分裂病ということができる。
もちろん発病初期には、自分が少しおかしいのではないか、という漠然とした感じはあるかもしれない。これを病感というが、病気が進行するにつれて病感もなくなり、病識欠如が確立してくる。病識がない患者は当然のことながらなかなか来院しないが、それでも家族や友人に連れられて、しぶしぶやってくる。だが、診察室に入ることを拒んだり、最初のひと言が「僕はなんでもないんですが……」であったりすると、われわれは病識がないことを知るきっかけになる。
この病気の原因についてはこれまで、古今東西の先輩同僚たちがあらゆる面から追求してきたが、残念ながら今日に至るまで真相は解明されていない。遺伝説も、濃厚な遺伝負因が見られるケースもあるにはあるが、決定的な結論は出ずに終わった。親子関係も話題に上ったことはあるが、これもやがて消え去った。
現時点では、脳内の神経伝達物質とそれを受けとる部位(レセプター)のバランスがくずれた結果ではないか、という説が有力であるが、いまだに決定的な結論は出ていない。むしろ治療のほうが先行してしまった。
発病年齢は十代、二十代が最も多いが、中高年でも発病しうることはすでに述べた。
この病気の発病状況は実にさまざまである。急性発病もあるし、いつ発病したかわからない慢性発病もある。問題は変化がゆるやかにやってくる場合で、孤独になり、対人関係がまずくなったり、学校の成績が落ちたり、周囲の者や家族がまさか病気とは思わず、診断がおくれ、そのために予後が悪くなることがある。
次に診断、発見がむずかしいのはノイローゼ、うつ状態などの症状で始まるケースだ。しだいに精神分裂病の症状がととのってくるのだが、よく誤診といわれるように、その時点で神経症と病名がつけられたり、ある時点からは分裂病といわれるケースがある。だが、これはけっして誤診ではなく、その時点、時点で正しい病名がつけられているわけである。  
それにくらべ、急性発症の場合、家族も驚いて医師のもとに駆けつけるから、まず手おくれになることはない。総じて急性の場合は早期発見のせいもあって予後は悪くない。
せっかくよくなっても再発する場合もある。よくなったからといって本人が薬の服用をやめたり、理解の少ない家族がやめさせたりすると、再発というしっぺ返しがやってくる。
こういう失敗を何回か繰り返すと家族も慣れてきて、これは危ないと直感し、一時、通院を中止していたのに再び病院に連れてきたりする。家族は肉親という甘えに流されず、あくまで科学的、合理的に、ある時点では心を鬼にして対処しなければならない。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%

[查看全部]  相关评论