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「まさか」の人に起こる異常心理48

时间: 2020-01-31    进入日语论坛
核心提示:幻聴、作為体験 さらに重要な症状は「幻聴」だ。これは実際にない声や物音を聞くことで、精神分裂病の場合は声が聞こえるのが大
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幻聴、作為体験

 さらに重要な症状は「幻聴」だ。これは実際にない声や物音を聞くことで、精神分裂病の場合は声が聞こえるのが大部分だ。知人の声であったり、未知の人の声だったり、一人の声であったり、複数の声であったりする。批判、悪口、命令などが多い。神のお告げと表現する人もいる。
患者はこれを実際の声と信じ、その命令に従ってしまう。羽田空港の日航機の着水事故も、機長が「逆噴射せよ」という幻聴に従ってしまった事故だった。患者の中にはその幻聴を「ボイスさん」と実にうまい表現をする者もいる。空笑(おかしくもないときにニヤッと笑う)や独語も、この幻聴の結果であることが少なくない。
ある患者から渡された手紙にはこう書いてあった。
 私が二十二歳のころ(いま三十一歳)、幻覚結婚(神前、ケイサツ、恋愛、学校)していて、トリコロシがあって「ケイヤク犯」と聞こえてきました。神社やケイサツから「あなたに失礼しました」と、聞こえてきました。ケイサツの出入りの洗濯屋さんが、「あなたにいやがらせをしました」と、聞こえてきました。
 この病人は数年以上、二カ所の精神科病院に入院して、いま外来に通い、薬物療法と精神療法を受けている人だが、なお幻聴が少なからず聞こえているようだ。その幻聴の内容に一貫性がなく、また支離滅裂で、意味不明の思考がうかがわれる。また、症状の中に、造語を思わせる記述がある。たとえば、幻覚結婚とかトリコロシなどである。ケイヤク犯なども理解に苦しむ言葉である。
分裂病患者の一部の人々の思考には「了解不能」と表現されるものが存在することは、昔からの文献、教科書に述べられているとおりだが、回診のたびに「十億五〇〇〇万円くれ」と言ったり、また職員の名前を列挙して、「一人あたり二〇〇万円を与えてやってください」と言う患者もいる。
どう考えても、思考内容が理屈に合わず、現実離れしている。病者の思考内容を、特に分裂病に関して、的確に表現する精神科医がいるとしたら、それは彼の創作といってよく、「文学作品」と称してもおかしくはない。世間受けはするかもしれないが、まじめで経験を積んだ真の精神科医なら、「了解不能」という四文字を重視するに違いない。
感情が鈍り、青年であっても若者らしい生き生きした感情が失われる。対人関係がうまくいかないので、友人が次々と去っていく。外出もせず、自室に閉じこもってしまう。自閉症状が増し、何をするにもものぐさになり、部屋も乱雑をきわめ、ついには終日、布団の中に身をゆだねるようになる。全く入浴しなくなる患者がいる。「風呂に入るな」という幻聴に左右される場合もあり、「入浴姿をだれかが見ている」と言う患者もいる。
見られるといえば、テレビが「私を見ている」と訴える患者がいる。さらに、ときどき「だれかが私をそそのかす」とおびえる患者もいる。これは「作為体験」とも「作為現象」ともいわれ、「させられている」「操られている」という心理で、「させられ体験」ともいう。
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