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「まさか」の人に起こる異常心理49

时间: 2020-01-31    进入日语论坛
核心提示:長期抗戦を要する治療 かつて精神分裂病は予後不良、人格荒廃に至る、といったイメージが強く、かのクレペリンも「人格荒廃、一
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長期抗戦を要する治療

 かつて精神分裂病は予後不良、人格荒廃に至る、といったイメージが強く、かのクレペリンも「人格荒廃、一種の痴呆状態に陥る病気」と言っていたくらいである。現在もそこまで至る人はいるが、戦前の状況よりははるかによくなっている。
昔は、薄暗い部屋に終日寝ているといった重病患者が少なくなかったが、現在はこうした重症の程度はかなり軽くなり、院内適応というか、病院での生活は普通にできる。食事も作業も運動も遠足もできるが、社会に戻すと社会的に適応できない人がいる。
またなんとか家庭生活が可能と思われる患者を、家庭の事情で引きとることを拒む家庭もあるのだ。本人の病気のことを秘密にしているところへ嫁が来たとか、いま帰ってきても住む部屋がない、などという理由からだ。
いずれにしても精神分裂病は長い経過をたどる病気であるから、治療もまた長期抗戦を要するといえる。
一九三九年(昭和十四年)ごろ、イタリアの精神科医、チェルレッティとビニ、わが国の九大の安河内、向笠の発想になる電気衝撃療法(いわゆる電気ショック)が開発され、インスリン・ショック療法とともに全世界に普及して治療法の中心を占めた。しかし、六○年ごろから種々の抗精神病薬が登場すると、しだいに前記のショック療法は影をひそめ、いまや薬物療法が分裂病や躁うつ病治療の中心となった。
ただし、電気ショック療法は急性発病(あるいはうつ状態の自殺願望の強いとき)の際は著しい効果を示すこともあるから、全廃というわけにはいかない。実際、精神医療の草分けの一つといわれる東京都立の松沢病院で、興奮して暴れる閉鎖病棟の患者を鎮静するため、ケイレンを伴う電気ショックを頻繁にかけているという実態が、最近明らかになったばかりだ。欧米では全身麻酔と筋弛緩剤を併用して実施する「無ケイレン法」が原則である。
抗精神病薬としては興奮を鎮静し、幻聴、妄想に効果があるもの、感情鈍麻や意欲低下を改善するものなどとしてクロルプロマジン、レボメプロマジン、ハロペリドールなどが複合的に使用される。
もちろん、精神安定剤や睡眠剤を用いる必要があることもある。また人によっては主としてパーキンソン病的副作用が出ることもあるから、その防止剤を併用することも多い。
以上の薬物療法で、もちろん完全というわけではない。レクリエーション、作業療法といった治療法を回復期や慢性期の患者に施行することが必要だ。デイケア(毎日異なったメニューを用意する)を行っている病院では、朝の体操に始まって、食事、おやつ、作業療法、運動療法、映画鑑賞などで規則正しい日常を過ごすが、家庭に戻るとついわがままが出て、生活が不規則になり、これが再発のもとになることもあるから注意しなければならない。
ある分裂病の青年だが、初診のときにはひと言も発しなかった。薬物療法に次いでデイケアに参加させたところ、めきめきとよくなり、デイケアには全出席、他の患者とのコミュニケーションもよく、こちらが明るくふるまえば明るい返事を寄こし、第一、ひと言も発しなかった彼が、「コンニチワ」「オハヨウゴザイマス、キョウハシンブンヅクリ(新聞編集)」「キョウハオンガクカンショウデス」「サヨウナラ」と、はっきり発言できるようになった。これはデイケアの効果をはっきり示したケースであった。
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