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「まさか」の人に起こる異常心理50

时间: 2020-01-31    进入日语论坛
核心提示:病気がよくなれば妄想は消える「私のプライバシーを侵害する機械が私にとりついていて、私を操っているのです。恨みをつくる機械
(单词翻译:双击或拖选)
病気がよくなれば妄想は消える

「私のプライバシーを侵害する機械が私にとりついていて、私を操っているのです。恨みをつくる機械なのです」と訴える分裂病の患者。
「私の心の中に入り込んでいる神様、名はゴッドさんというのですが、そのゴッドさんが私の肝臓を傷めるのです。私の肝臓は正常なのですが、ときどきゴッドさんが肝臓のガンマGTPを病的な状態に押し上げるのです」と、しばしば血液検査を要求する患者。
診察のたびに「二週間後が出産予定日です」と、まじめな顔をして訴える患者。いつも二週間後というその不合理さを患者に教えようとしてもそれはむだである。むしろ、「それはたいへんですね。体を大事にして、無事、お産にこぎつけましょうね」と同情的な言葉を与えたほうがいい。妄想をいだく患者に、百万遍のお説教をしても効果はない。自説を絶対にひるがえさないのが妄想である。
先に幻聴をボイスさんとうまく名づけた患者にふれたが、別に「スピーカーさん」と、これまた幻聴にうまい命名をした女性の分裂病患者がいる。もう発病以来二十五年にもなり、現在四十九歳だが、家族の無理解により、受診がおくれ、その結果、手おくれとなり、いまだに幻聴、感情鈍麻、対人関係不如意、被害妄想が残っている。
そのスピーカーさんにおびえる女性が、こんなことを言ってきた。
「スピーカーさんがいろいろと言ってくるのです。私のことを、あることないこと警視庁に告げ口をするので、私を今にも逮捕に来るかもしれません。先生、だれか警視庁にお知り合いがいるなら、私の無実を訴えて私を救ってください。そのスピーカーさんが福島県の原子力発電所をそそのかして、私に放射能を送りつけてくるのです。おかげで私の体力は刻々と低下して今にも死にそうになっています。けしからん原子力発電所の職員を早く逮捕してください」
彼女に「そんなバカなことはありませんよ」などと言っても全くむだで、本人はその妄想を信じきっているのだ。妄想は説得によって消滅することはまずありえない。治療が進んで症状が軽くなれば、妄想は自然に消え去るのである。この際、患者の訴えることを同情的に聞いてあげるのが最もよい。訴えることによって患者の心はいやされるのである。
また、あるときはこんなことを言った。
「スピーカーさんが私を殺そうとしている。この病院の入院患者に乗り移って、私を殺そうとしている。レントゲンの器械を操作して誤った画像を出させたり、心電図の器械に誤った成績を出すようにして私をつけねらっているのです。当直のA先生が怪しいです。スピーカーさんがA先生を操って私を殺そうとしている。私の血圧を異常に高く操作しているんです。A先生を早く解雇してください。また別のB先生を操って、放射能を浴びせようとしています」
そして、最後に「先生を愛しています」と言う。この被害妄想と幻聴、「愛しています」はどうしても連結しない。そこに「分裂」があるのである。
精神分裂病という言葉には、どうも、人格そのものがバラバラに分裂しているというイメージがあるようで、かなり前から精神障害者の家族から、人格を否定するような響きを持つ「精神分裂病」という名称を変えてほしいという要望があった。精神科医たちの間でも、この名称は医学的にも不適切だとの声もあり、二〇〇二年の八月に開かれる世界精神科医学会の大会までに新病名を決定したいとしている。
新しい呼び方として、㈰原語(ラテン語)の読みをカタカナ表記した「スキゾフレニア」 ㈪疾病の概念と診断の確立に功績のあった人名にちなんだ「クレペリン・ブロイラー症候群」 ㈫原語を翻訳し直した「統合失調症(統合失調反応)」の三つの案があがっている。
名称を変更することで、少しでも心の病に対する差別・偏見が解消でき、理解を深めてもらえれば、こんなうれしいことはない。
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