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「まさか」の人に起こる異常心理54

时间: 2020-01-31    进入日语论坛
核心提示:ライト兄弟の病前性格 クレペリンが「躁うつ病」を発表したころ、アメリカで空の魅力にとりつかれた人がいる。二十世紀最大の事
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ライト兄弟の病前性格

 クレペリンが「躁うつ病」を発表したころ、アメリカで空の魅力にとりつかれた人がいる。二十世紀最大の事件の一つ、ライト兄弟の動力初飛行である。
兄ウイルバー・ライトは一八六七年生まれ、弟のオーヴィル・ライトは四歳年下だ。彼らはノースカロライナ州、キティホークの砂丘キルデビルヒルで苦労しながら造ったフライヤー一号機で飛行距離八五二フィート、滞空時間五十九秒の世界最初の動力飛行に成功した。一九○三年十二月十九日のことだ。この日、朝から兄弟がかわるがわる操縦して飛んだ四回目の飛行で、この記録が生まれたのだ。このときは兄ウイルバーが操縦している。
ところで、私の畏友であり、医師でもある、航空評論家の横森周信氏がこのライト兄弟に関して、オーヴィルが「うつ病」になったという興味深い試論を書いているから、それを拝借してみる。
教師志望であった兄のウイルバーはきわめてまじめな人間で、弟オーヴィルにとって保護者的な存在だった。兄は弟に対する責任感から進学をあきらめたほどだ。義務感、責任感が旺盛、きちょうめん、正直、しかも物事に熱中する、徹底性、凝り性というような、いわゆる執着性性格だった。
一方、弟のオーヴィルは幼いときから外向性があり、行動的で商才もあった。少年時代には学校新聞や週刊誌の印刷発行に夢中になりすぎて、彼のほうもカレッジに進学しなかった。
兄弟というのはえてして闘争関係に陥りやすいものだが、この兄弟がうまくやっていけたのは兄が責任感、義務感が旺盛、弟は明るくすなおで物事にこだわらない性格であったためではなかろうか。
ライト兄弟のように、マラソン界のチャンピオン、双生児の宗茂、宗猛兄弟がうまくやっていけたのは、兄がおおらかで些事にこだわらず、弟が繊細で神経質な面を持っているという差異が役に立ったからに違いない。
この明るく活動的なオーヴィルが、一九一二年に兄ウイルバーが他界してから人が変わったように、暗くて、孤独な人間嫌いになってしまったので、人々は驚くのである。
しかし、オーヴィルのような外向的で、世話好きな、いわゆる循環気質はクレッチマーによるうつ病の病前性格として最も重要視されるものだから、オーヴィルがうつに陥ったとしても不思議ではない。しかもこのとき彼は四十一歳である。
突然兄を失い、周囲には彼らの名誉や権利を危うくするような事態が次々と起こったのであるから、発病の条件はすべてととのっていた。晩年の彼の病名をつけるとしたら、「退行期うつ病」が妥当ではあるまいか。
もし、オーヴィルが先に死んだと仮定したら、ひょっとしてウイルバーもうつ的になったかもしれない。ウイルバーの執着気質は特に日本人の場合、うつの病前性格に最も多く見られるものだからだ。
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