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「まさか」の人に起こる異常心理58

时间: 2020-01-31    进入日语论坛
核心提示:不安感情の強い抑うつ神経症 近ごろふえている抑うつ神経症は、対象喪失(愛する人を亡くした人、離婚した人、子どもに巣立って
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不安感情の強い抑うつ神経症

 近ごろふえている抑うつ神経症は、対象喪失(愛する人を亡くした人、離婚した人、子どもに巣立っていかれた親など)、プライドの喪失(人前での失敗や叱責など)、地位や職場の変動(定年退職を含む)など、身辺に起きた変化から生じたストレスによって発症するもので、リストラ時代において特にふえていると思われる。
症状はうつ状態と大差はないが、特に不安感情が強く、動悸、発汗異常、その他自律神経系の訴えが多く、いわゆる神経症的症状を呈することが目立つのである。ときに離人症的な訴え(自分が自分でないようで、喜怒哀楽などの感情の低下が見られる)をすることもある。
この病気は「人に自分の心を聞いてもらいたい」という要求が強いから、外来への対応もその線に沿ったやり方が求められ、カウンセリングの重要な対象となる。また薬物治療も、抗うつ剤以外に抗不安剤などの併用も重要である。
今はこの抑うつ神経症を含めて、うつ状態の患者が外来患者のほぼ七○パーセントを占めるという盛況である。まさに現代はうつの時代といっていいだろう。
一九九九年(平成十一年)、文芸評論家の江藤淳さんが自殺した。
りっぱな遺書を残したが、その遺書の中に、心身の不自由、病苦は堪え難し、脳梗塞の発作などという文字が見られる。江藤さんは愛妻の死、脳梗塞による心身の不自由、それにこれは重要なことだが、江藤さんが粘着質的なまじめ人間であったことなどから、うつ状態であったことは確かであろう。「江藤淳は形骸に過ぎず」とも遺書に書いている。
かのビンスワンガーのいう「過去視」、つまり過去にこだわること、もう一つビンスワンガーが「未来視」と呼んだ心理、この二つによって江藤さんは死(彼はみずから処理といっている)を選んだとも考えられる。
うつ状態と自殺との関連はけっして浅くはない。うつの中心症状の一つが希死なのである。それを避ける方法は何か。それは言わずと知れた、早期治療だといっても過言ではない。
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