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「まさか」の人に起こる異常心理77

时间: 2020-01-31    进入日语论坛
核心提示:「恍惚の人」になる老人性痴呆という病気 有吉佐和子さんの小説『恍惚の人』が世間の話題をさらい、恍惚という言葉が流行語にな
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「恍惚の人」になる老人性痴呆という病気

 有吉佐和子さんの小説『恍惚の人』が世間の話題をさらい、恍惚という言葉が流行語になった時代があったが、そのころまだ、おそらく大部分の日本人にとって、それほど実感はなかったに違いない。
明治時代に名を成した人々が、実に若くして死んでいるのにわれわれは驚くが、人間の平均寿命は学者の研究によると、四千年前にはたった十八歳、二千年前には二十歳、百年前でも三十六歳だった。一九三五年(昭和十年)というと、ついこの間のような気がするが、それでも男性四十七歳、女性五十歳で、まさに人生五十年だったのだ。
ちなみに昔は、女性のほうが男性より早くあの世に行っていたのだが、しだいに女性の寿命が延びて、男性と女性の寿命が交差し、以後、女性のほうが長生きする傾向が出てきたのは明治から大正に移るころだった。
第二次世界大戦の終結時にはなお「人生五十年」であったが、その後しだいに寿命が延びて、六七年は男性六八・九一歳、女性七四・一五歳、九九年は男性七七・一〇歳、女性八三・九九歳、そして二〇〇〇年には男性七七・六四歳、女性八四・六二歳と過去最高になった。百歳以上の人口は二〇〇一年になんと一万五四七五人という盛況ぶりである。
六十五歳以上の人口は二二二七万一〇〇〇人いるが、そのうち約二〇パーセントが介護を要するという。
痴呆の一つのタイプは、脳細胞の減少と脳萎縮に由来する「アルツハイマー型痴呆」である。
アルツハイマーとはドイツの医学者の名前で、彼は一九一五年に亡くなっている。私の父がドイツ、オーストリアに留学したのは一九二一年だから、アルツハイマー先生にお目にかかってはいないが、帰国するときに、アルツハイマーの論文を持ち帰っている。それが戦火を逃れて今、私の手元にあるのだから、感慨ひとしおというところだ。
アルツハイマー博士の偉いところは、高齢者がほとんど存在しなかった二十世紀初頭、高度の痴呆で死亡した五十一歳の女性の死後、脳を解剖して大脳の萎縮、老人斑、神経原線維という微小構造を発見し、人間は高齢化とともに痴呆が発生、増加していくという説を提唱したところにある。アルツハイマーの名は永く後世に残るであろう。
痴呆のもう一つのタイプは、脳血管系の障害からくる「多発性脳梗塞型痴呆」といわれるものである。かつて日本は脳血管系の病気が多かったので、当然、後者の痴呆が多かったが、しだいにアルツハイマー型がふえ、近ごろは欧米型のアルツハイマー型が優位になっている。
高齢になると脳細胞や脳血管系の障害に加えて、視力低下、難聴、生活環境の変化、配偶者の死亡、退職、引っ越しなどの心理的要因も誘因となりうるのである。うつ感情が強いときは、これを「老年期うつ病」と名づける。
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