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無花果少年と瓜売小僧20

时间: 2020-01-31    进入日语论坛
核心提示:  20 実は木川田くんは、七日の日に磯村くんの部屋に電話をしたのでした。ホントは、四日の日と六日の日にも「ひょっとしたら
(单词翻译:双击或拖选)
 
  20
 実は木川田くんは、七日の日に磯村くんの部屋に電話をしたのでした。ホントは、四日の日と六日の日にも「ひょっとしたら帰ってるかな」と思って電話をしたのでした。でも、受話器の向うは�ル……�と言っているだけで�ガチャッ・プーン�という音はしませんでした。
 木川田くんは、いつも磯村くんのところには公衆電話からかけていました。
何故でしょう?
まだ分りません。
七日もかけて、九日の夜もかけて、十日の日にバイト先の電気屋さんから電話をかけて、やっとつながったので、木川田くんはホッとしました。
「どうしたの?」
木川田くんは言いました。
「なァに?」
磯村くんは言いました。
「ズーッとかけてもいないからサ」
「ゴメン、今帰って来たんだよ」
「なんだ、ズーッといなかったの?」
木川田くんが言いました。
「うん」
「俺、風邪でもひいたのかと思って心配しちゃった」
外は雨で、寒い一日でした。
「ナことない」
磯村くんは言いました。
磯村くんは、風邪なんかひいてなかったからです。
「どうしてたの?」
木川田くんは言いました。
珍しく木川田くんは、積極的にお喋りです。
「ズッと家にいたけどサ」
磯村くんは言いました。
その時木川田くんのいるお店の自動ドアが開いて、冷たい風とお客さんが一緒に入って来ました。
「ゴメン、お客さん来ちゃった。今バイトなんだ」
「あ、ホント」
「なんか元気ないね?」
「うん、今帰って来たばっかで寒くって」
「そっか。後でまた電話する」
「うん」
「今日、行ってもいいィ?」
木川田くんは言いました。
「いいよ」
磯村くんも言いました。
「はい、すいませーん!」
木川田くんが�お客さん�に言いました。
「じゃね」
磯村くんにそう言って、木川田くんは電話を切りました。
「乾電池をちょうだい」
三十代のミセスが、ユニフォームのジャンパーを着て近づいて行く木川田くんに言いました。道路沿いの、そんなに大きくはないけど決して小さくもない、照明器具がゴタゴタとぶら下った、電気屋さんの中でした。
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