日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

無花果少年と瓜売小僧57

时间: 2020-01-31    进入日语论坛
核心提示:  57 石屋のお兄さんに中野まで送ってもらった木川田くんは、別れ際にそのお兄さんから「また困ったことがあったら言って来な
(单词翻译:双击或拖选)
 
  57
 石屋のお兄さんに中野まで送ってもらった木川田くんは、別れ際にそのお兄さんから「また困ったことがあったら言って来な」と言ってもらえたんですが、でもそのお兄さんに「うん」て言いながら、木川田くんは「もう行かないよ」って思っていました。
その、顔や体は四角いけど、目はやさしいお兄さんに、自分は嘘をついてしまったと思っていたからです。
そりゃ、磯村くんとは�同棲�してたかもしれないけど、でも、磯村くんは�恋人�じゃなかったし�喧嘩した�訳でもなかったからです。
磯村くんは�いい奴�で、仲が良くなりたかったけど、でも�自分がダメだったから�それで嫌われて——別に嫌われた訳じゃないかもしれないけど、絶対あのまんまだったらすぐ嫌われちゃうこと分ってたから、それで、木川田くんは逃げて来たのです。
木川田くんは磯村くんが好きで友達になりたいと思ってたけど今の自分なんて迷惑かけるだけなんだと思っていたのです。だから、磯村くんが電話をして来た夜、木川田くんはホントに、頭が痛くなって寝てたんです。別に頭は痛くなかったけど、疲れてなんにも考えないで寝てたらホントに起きられなくなって、磯村くんに何を言ったらいいのか分らないからそのまんま寝ていたっていうだけです。
お母さんは、「ホントに礼儀知らずなんだから」と思って、体を揺すって起こしたんですが、でも木川田くんのお母さんは子供が可愛くって、「源一も疲れてるんだろう」と思って、木川田くんをかばったのです。
だから、その晩の木川田くんは、必ずしも磯村くんが思ったように「居留守を使ったバカなヤツ!」という訳でもなかったんですね……。
 でも木川田くんは、次の日も、その次の日も、磯村くんに電話をすることが出来ませんでした。
帰って来た次の日は「昨日逃げちゃった」と思って。その次の日は、「逃げちゃったことの言い訳って、なんて言ったらいいんだろう」と思って。そしてその次の日は「三日も電話しなかったから怒ってるに決まってる」と思って——。
言い訳の量ばっかり増えて、結局木川田くんはなんにも言えませんでした。すべての理由を一言で言ってしまえば「迷惑をかけるから」で、でもそんなことを言ったら磯村くんは、絶対に「どうして?」って言うに決まっています。木川田くんには、その理由を説明することはもう出来ませんでした。
 磯村くんはいい人で、自分にやさしくしてはくれたけれども、でも磯村くんは�変態�じゃなかったからです。
変態じゃない磯村くんに変態の自分の説明をしたって、絶対にまた……——「木川田だって大きいじゃない」って言われたらって……、木川田くんはそう思うとつらくってつらくって、もうなんにも言えなくなってしまうのでした。
磯村くんに「ごめんね」としか言えなかった木川田くんは、実は、「そんなみっともない自分に気がつかないでいてごめんね」って言いたかっただけなんです。
でも、そんなことを言ったって磯村くんは分ってくれるんでしょうか? それは、磯村くんにとっては複雑すぎることのような気がしました。
自分が「オカマだ」って思ってたら別に分ってもらえなくても構わないでしょうけれども、でも木川田くんは、もう、「分ってもらえないのはいやだ」と、そう思ってしまっていたのです。
木川田くんは、「つらいことを考えるのはいやだ」と思って、これから先自分はどうしたらいいのかっていう、�進路�のことだけを考えるようになりました。
「ホントだったらもう、ズッと前から考えてなくちゃいけなかったんだよね」って思うと、つらくてつらくて、涙が出て来そうでした。でももう木川田くんは、そんな理由でもつけなければ涙を流すことが出来なくなっていたのです。だって、もう誰かに分ってもらいたいなんていう甘ったれたことを言うことは出来ないのですから。
「分ってもらいたい」と思うたんびにみっともないことしかすることが出来ない自分を思って、木川田くんは恥かしさに震えました。春は、そうやって、やって来たのです。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%