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大学の大教室の中で、やっぱり磯村くんはなんにも考えてはいませんでしたというのは、磯村くんがなんにも考えずにすんでいたからです。
「大学の講義って、ホントになんにも物を考えないでいいからラクだなァ」って、ホッとした磯村くんは思っていました。
「それでみんな大学に来るんだなァ」って、磯村くんは大教室の中で考えていました。
「だって、みんな先生が喋ってくれるんだもんなァ……」って。
大学の講義がつまんないって考えていた自分がホントにバカだったって、磯村くんは思いました。「ここにくればつらいこと考えさせられる心配ってないんだもんなァ」と思って、リラックスして眠りました。「みんな、なんにも考えたくないんだよなァ」と思ったら、やっと磯村くんも安心出来たんです。安心して、大学生になることが出来たんです。救いのないことを考えたってしようがないし——。
「それでみんな大学に来るんだなァ」って、磯村くんは大教室の中で考えていました。
「だって、みんな先生が喋ってくれるんだもんなァ……」って。
大学の講義がつまんないって考えていた自分がホントにバカだったって、磯村くんは思いました。「ここにくればつらいこと考えさせられる心配ってないんだもんなァ」と思って、リラックスして眠りました。「みんな、なんにも考えたくないんだよなァ」と思ったら、やっと磯村くんも安心出来たんです。安心して、大学生になることが出来たんです。救いのないことを考えたってしようがないし——。
だからみんな、ものって考えないんですよね。