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次の日起きて、食パンを一枚食べて、またかったるいので、磯村くんは昼まで寝てしまいました。
昼まで寝てしまいましたが、結局誰も枕許には御飯を持って来てくれないので、しようがないから起きなければいけません。「メンドくさいなァ」と思って、律義な磯村くんは布団を畳みました。「外で御飯食べて来て、また部屋に帰って不貞寝《ふてね》の続きしよう」なんていう器用な発想は、磯村くんにはなかったのです。
昼まで寝てしまいましたが、結局誰も枕許には御飯を持って来てくれないので、しようがないから起きなければいけません。「メンドくさいなァ」と思って、律義な磯村くんは布団を畳みました。「外で御飯食べて来て、また部屋に帰って不貞寝《ふてね》の続きしよう」なんていう器用な発想は、磯村くんにはなかったのです。
ノロノロとパジャマを着替えて、ノロノロと布団を畳んで、ノロノロとカーテンを開けて、ノロノロと部屋の中を見回して、「なんか、することってないかなァ……?」って、磯村くんは思いました。なんか部屋の中ですることがあればその間ものを考えないですむと、磯村くんが思っていたからです。
なんにも考えなくなった真っ白な頭の中で一生懸命考えなくちゃいけないことを生み出すのはとっても疲れたから、磯村くんはなるべく他のことをしていたかったのです。
逃げたくないものから逃げていなくちゃいけない時というのは、自分の無能ばっかり、知らない内に指摘され続けているのと同じで、とってもつらいのです。
なんにも考えなくなった真っ白な頭の中で一生懸命考えなくちゃいけないことを生み出すのはとっても疲れたから、磯村くんはなるべく他のことをしていたかったのです。
逃げたくないものから逃げていなくちゃいけない時というのは、自分の無能ばっかり、知らない内に指摘され続けているのと同じで、とってもつらいのです。
でも、御飯を食べちゃったら、なんにもする気はなくなってしまいました。
部屋に寝っ転がっていたら、寝っ転がっているのにふさわしいようなことがジワジワと湧いて来ました。
という訳で、磯村くんは竜崎頌子ちゃんのことを考えていたのです。
部屋に寝っ転がっていたら、寝っ転がっているのにふさわしいようなことがジワジワと湧いて来ました。
という訳で、磯村くんは竜崎頌子ちゃんのことを考えていたのです。