「もういいかい」「まあだだよ」
子供のときに、よく隠れんぼをして遊んだものだ。いまの子供たちだって、隠れんぼぐらいはするだろう。
「もういいかい」「もういいよ」
自分ではちゃんと隠れているはずだが、隠れているのは頭だけで、お尻が出ていたりする。たちまち鬼さんにみつかって、ホント、穴でもあったら入りたい気持ちだよ。
キジには草の中に首だけ隠す習性があるみたいだ。気の毒に、尾が出ていることには気がつかないらしいのである。
そんなところから、悪事を働いた者が、その悪事をうまく隠したつもりでも、思いがけないところでシッポを出しているさまをからかい、
「頭隠して尻隠さず」
ということわざができた。キジは、悪事を働いたわけでもないのに、バカな話だ。
ときに、ヘマをすることがある。そんなとき、わたしたちは、とにかくゴマカそうとして、あれこれ細工をする。
細工をすればするほどボロが出るのだが、それでも細工をしようとするところが、凡人の凡人たる所以《ゆえん》だろう。ヘマをやらかした以上は、素直に、
「ごめんなさい」
と謝るに限る。
頭も尻も丸出しにして、頭を下げるのだ。