博打《ばくち》の、
「丁か半か」
というのは、
「偶数か奇数か」
ということである。サイコロ賭博《とばく》は、サイコロ二つを転がして、表になった数の合計が偶数であるか奇数であるかを当てっこするのだ。
「一か八か」
ということわざは、この「丁か半か」の丁の字の上部と半の字の上部をとったものだ。要するに、二者択一なのである。
勝つか、負けるか。成功するか、失敗するか。
結果はどうなるかわからないが、
「やるっきゃない」
といった感じだ。人間、ときには思いきって勝負に出ることも、大切である。
俗に、
「当たって砕けろ」
と言うではないか。なにごとも、ぶつかってみなけりゃ、わからない。
うまくいけばいったで面白いし、うまくいかなければいかなかったで、また面白い。ナマイキを言わせてもらうなら、どっちにしたって人生だ。ま、人生なんて、そんなものでしかないだろう。いや、それだけでじゅうぶんに楽しいではないか。
果たしてそんなものでしかないか、どうか。疑うんだったら、ひとつサイコロを転がしてみては……。