女のひとは、どんな女でも、好きな相手の目をじっとみつめて、
「好きよ」
と、たったひとこと言うだけで、たいがいモノにすることができるらしい。男はバカだから、ちょっと甘い声をかけられると、すぐその気になってしまう。
男はそういうわけにはいかない。男がいくら好きな相手の目をみつめて、
「好きだよ」
と言ったところで、
「あら、失礼ね」
と、軽くあしらわれるのがせいぜいだ。
そう言ったら、
「いえ、そんなことはない」
と抗議されたから、ビックリした。彼女に言わせると、女は望みが高いので、
「好きよ」
と、ひとこと言われただけで、すぐその気になるような、
「そんな程度の低い男には声をかけない」
というのである。
失礼ながら、
「そんなものかなあ」
と思った。言っちゃナンだが、女のひとは、女であることに自信があるから、
「こちらが思っていれば、相手からも思われるようになる」
と思っているのかもわからない。