「女心と秋の空」
ということわざは、
「男心と秋の空」
とも言う。男心も女心も、ともに変わりやすいのだろう。
あるいは、
「女心と春の空」「男心と春の空」
とも言う。春の空も、秋の空と同じように変わりやすい。
そこで、
「どっちかを春の空にして、どっちかを秋の空にしたら?」
と考えた。トーゼンのことながら、春の空が男心で、秋の空が女心である。
なぜって? そのココロは「男心はだんだん熱く(暑く)なるが、女心はだんだん冷たくなる」というのは、どうだ!
事実、
「女の心と秋吹く風は夜に七へん変わる」
ということわざもあるのだ。が、これも女性に言わせれば「その逆だ」ということになるだろう。
げんに、
「男の心と川の瀬は夜に七たび変わる」
ということわざもあることはある。そういうことなら、いっそのこと、
「男心は上《うわ》の空」
と言おうか。いや、やっぱり「女心は上の空」だな。