ふざけて、
「枯れ木も山の賑わいゆえ、ぜひぜひ出席いただきたく」
と案内状に書いたら、ひどく叱られたことがある。マジメに受け取られてしまったのだ。
しかし、最近は、ジョウダンじゃなしに、
「枯れ木も山の賑わいゆえ、ぜひぜひ出席いただきたく」
と書く奴がいるらしい。ホント、ジョウダンじゃない!
「枯れ木も山の賑わい」
ということわざは、
「つまらぬものでも、ないよりはまし」
といった意味である。ふつうは、自分の参加を謙遜し、
「枯れ木も山の賑わいゆえ、出席させていただきました」
というふうに使うのだ。
白状すると、このわたしが案内状に「枯れ木も山の賑わいゆえ」と書いたときは、けっしてジョウダンで書いたわけではなかった。ただただ票決のために、
「員数を揃《そろ》える」
という意味もあって「枯れ木も山の賑わいゆえ」とふざけたのである。テキも、そのへんのところは見破って「ケシカラン」と怒ったのかもわからない。からかわれる人は、なぜか、からかわれていることがわかっているので、やりにくい。