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ことわざ雨彦流145

时间: 2020-02-02    进入日语论坛
核心提示:大は小を兼ねる明治生まれの父親は、横浜で金物屋だった。戦争中、空襲で焼け出されたとき、鉋《かんな》と鋸《のこぎり》を抱え
(单词翻译:双击或拖选)
大は小を兼ねる

明治生まれの父親は、横浜で金物屋だった。戦争中、空襲で焼け出されたとき、鉋《かんな》と鋸《のこぎり》を抱えて逃げた。
「どうして鉋と鋸なの?」
と訊いたら、
「だって、そうじゃねぇか」
と、鼻をうごめかした。そうして、自慢げに、
「家を建てるには、鉋と鋸が要る。横浜だって、いつまでも焼け跡のままじゃねぇや」
と言ったものだ。
その父親の口癖に、
「鑿《のみ》は、小が大を兼ねる」
というのがあった。断るまでもないけれど、
「大は小を兼ねる」
ということわざを洒落《しやれ》たつもりである。
このことわざは、大きいものは小さいものの役目をすることができるところから、
「大きいもののほうが、融通が利く」
といった意味でもあろうか。そういえば、
「大きいことは、いいことだ」
というCMもあったっけ。
しかし、父親に言わせれば、鑿だけは、そうはいかない。鑿は、小さいものが大きいものの役目をするのである。
たしかに子供に大人の靴は履けるけど、大人に子供の靴は履けないように、大が小を兼ねるものは、捜せばいろいろあるにちがいない。いかに大きいことがいいことであっても、電信柱じゃ爪楊枝の代わりにはなるまい。
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