相槌は、
「フム、フム」
と打つだけじゃ、まずい。こいつを繰り返されると、喋っているほうは、なんとなくバカにされたような気分になってくる。
そこで「フーム」とか「ナルホド」とか、適当に相槌の打ち方を変える。すると、自然に相手の話にも熱が入ってくるから妙である。
自分で話すことが上手な人は、とかく聞くことが下手なものだ。それは、自分ばかり喋って、相手に話をさせないこともあるが、相手の話そうとすることがわかってしまって、相手の言うことを聞こうとしない場合もあるのではなかろうか? そういう場合は、どうしたって相槌も投げやりになる。
相手に思いの丈を言わせるために、ときに聞こえないフリをすることがある。言っちゃナンだが、女のひとたちの最も得意とするところだ。
たとえば、
「きれいだ」
と言ったりする。すると、きまって、
「エ?」
と聞き返す。
仕方がないから、もういちど、ハッキリと、
「きれいだよ」
と言わなければならないハメになる。
なーに、相手は、ちゃんと聞こえているのである。