ふざけて、若者たちに、
「せっかくハタチになったんだから、酒とタバコぐらいやめろ」
と言ったことがある。成人の日のことだ。
いまの子供たちは、ホントウに可哀そうだ。酒だって、タバコだって、ついでに不純異性交友だって、子供のうちに覚えてしまうから、大人になってからの楽しみがない。
昔の子供たちが、
「どうやったら赤ん坊ができるか知ってるぞ」
と威張っていたころ、いまの子供たちは、
「どうやったら赤ん坊ができないか知ってるぞ」
と威張っている。昔の子供たちのほうが、よっぽど可愛らしいみたいなもんだ。
俗に、
「減るもんじゃなし」
というけれど、わたしは減ると思う。なによりも、
「性を大切にしよう」
という情緒がすり減ってしまうような気がしてならない。
性は、基本的な人権に関わることだから、粗末に扱うべきではない。何度でも繰り返すが、性に対してイイ加減な人間は、人生に対してもイイ加減な人間だ。花は、早く咲けば、それだけ早く散るのである。性のことだって、早く知れば、それだけ早く飽きるだろう。
そういえば、中国の古い言葉にもあった。
「荒淫、矢の如し」