ある家庭雑誌に、
「上手な夫婦げんかのための五ヵ条の守り」
というのが載っていたそうな。
一 相手の人格を傷つける発言をしない
二 言葉じりをとらえての議論は避ける
三 行動する意思のないことは口にしない
四 感情の吐露は、すぐに拒絶せず、一応受けとめる
五 相手の体に危害を与えてはならない
これを読んだ茨城県の主婦の反応が面白かった。彼女は「でも、この五つのうち、必ずどれかをやっているからこそ、けんかになるはず。ウチなんて、一から五まで、すべてやっています。夫も�バカな文章だ�と怒っていました。珍しく(?)夫婦で意気投合です」
と、ラジオに投書したのだ。
夫婦ゲンカについては、
「夫婦げんかは犬も食わない」
ということわざが有名だが、
「夫婦げんかに猿の割り膝」
ということわざもあるのである。割り膝は、両方の膝がしらを離して坐る礼儀正しい座り方のことだが、このことわざは、夫婦ゲンカの際に、妻が猿みたいに、とってつけたような居住まいをするさまをからかったものだ。
「切り口上」
という。改まったもの[#「もの」に傍点]の言い方だが、女房がこれをやるときが危ない。きっと何かを含んでいる。