「餅は餅屋」
ということわざは、
「餅は餅屋の搗《つ》いたものがいちばんうまい」
という意味である。転じて、
「その道のことは、やはり専門家に任すべきだ」
という意味になり、
「ものごとには、それぞれ専門家がいるものだ」
という意味にもなった。
トーゼンのことながら、
「酒は酒屋」「味噌は味噌屋」
ということになり、西鶴の『新永代蔵』には、
「刀は刀屋」
という言葉もみえるらしい。そういえば「戦争は軍人に任せておけ」といわれたイヤーな時代もありました。
いまは「パフォーマンスの時代」とかで、マルチ人間全盛である。餅は餅屋に任せておくわけにもいかないし、まして戦争なんか軍人に任せておくわけにはいかない。
だいたいが、戦争なんて、コピーライターの岩崎俊一さんのセリフじゃないけれど「行かない人がやりたがる」ようで、そう考えてくると、戦争で鍛えられた経験を懐かしみ、
「いまの若い人たちにそういう経験がないのは可哀そうだ」
といった某国の宰相の話がいかにバカげているか、わかろうというものだ。これまた、
「政治も政治家には任せておけない」
ということか。