この項を書く段になって、
「楽あれば苦あり」
というのか、
「苦あれば楽あり」
というのか、わからなくなった。そこで、小学館の『ことわざ大辞典』をひいたら、両方出ていた。同辞典には「楽あれば苦あり」は、
「楽しいことがあれば、この後で苦しいことがある。苦楽は相伴うことをいう」
と書いてあり、また「苦あれば楽あり」は、
「苦しいことがあれば、その後では楽しいことがある。苦楽は相伴うことをいう」
と書いてある。要するに、同じ意味だ。
ついでに、
「楽の下には苦が付く」
「苦は楽しみの元」
「楽は苦の種 苦は楽の種」
ということわざがあるのも思い出した。やっぱり、苦労しても辞書はひいてみるものだ。
「楽は苦の種 苦は楽の種」
ということわざについては、
「楽は苦を生むもととなり、苦は楽を生むもととなる。楽をすると、あとで苦を味わわなくてはならないし、苦を忍べばあとで楽ができる。今の苦労は、将来の楽につながるのだから耐え忍ばなければいけないという戒め」
と、解説してあった。そんなわけで、この項は辞書を写すだけで紙数が尽きた。なんだかラクしたみたいで、あとがコワい。