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男のためいき女の寝息04

时间: 2020-02-04    进入日语论坛
核心提示:夫婦の会話「どこかへ出かけるときは、かならず亭主に行き先を告げること」というのが、世の女房たちに対するわたしの切ない願い
(单词翻译:双击或拖选)
夫婦の会話

「どこかへ出かけるときは、かならず亭主に行き先を告げること」
というのが、世の女房たちに対するわたしの切ない願いである。この�世の女房たち�のなかには、もちろん、わが家の女房ドノも含まれている。
早い話が、うちの女房は、どこかへ出かけるにしても、子供たちには行き先を告げていくけれど、亭主のわたしには、滅多なことでは告げていかない。わたし自身は、女房がどこかへ出かけていくことについては、べつに異を唱えるつもりなどないのに、テキはハナッから、
「言えば、反対される」
と思い込んでいるらしくて、水臭いこと夥《おびただ》しい。
これが、PTAに出かけるにしても、カルチャー・センターに出かけるにしても、そうだからオカしい。まして、ショッピングや映画館、同窓会や女性だけの会合に出かけるときは、まず黙っている。
告げるにしたって、直前だ。すっかり出かける支度を整えたうえで言いにくるから、反対しようにも、反対できない。
いつだったか、そう言ったら、
「ホラ。やっぱり、あなたは、あたしが出かけることに反対なんじゃないですか」
と、やられた。恥ずかしながら、こうなってしまうと、もうダメだ。いくら、そうではないことを説明しようとしたところで、耳は貸してもらえない。
そこで、
「子供に向ける関心の半分でもいいから、亭主に向けろ」
と、わたしは女房に言うのである。亭主に少しでも関心を持っていれば、自分の亭主が、そんな男かどうか——は、わかるだろう。
もっとも、
「世の亭主たちは、それだけ女房がどこかへ出かけることに理解を示していないのかなあ?」
と考えたら、ちょっぴり同情したくなった。言っちゃナンだが、この�世の亭主たち�のなかに、もちろん、わたしは入っていない。
それは、まあ、ともかく——
あれは、某市で開かれた「女性五〇〇人フォーラム・21世紀への旅立ち」という会だった。講演を終えたあと、わたしは、その分科会の席上で、聴衆の女性たちに、
「とにかく出かけるときは、亭主に行き先を告げなさい。たとえ反対されても構わない。反対されたら、なぜ反対か——を訊く。それが、夫婦の会話、夫婦のコミュニケーションの第一歩です」
と喋ってから、
「どうだろう? きょう、この会合に出席するについて、亭主に断ってきた人がいたら、手を挙げてみてください」
と言ったのである。
すると、案の定、みんな顔を見合わせている。とたんに、女性の司会者が引き取って、
「いいですか! きょう、この会合に出席するについて、ご家族の誰かに……ですヨ、ご家族の誰かに断ってきた人、手を挙げてください」
とやっちゃったから、堪らない。いっせいにワーッと手が挙がって、
「そうじゃない。家族の誰かに……じゃなくて、亭主に……だ」
というわたしの声は、もののみごとに消されてた。
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