高校生たちが、
「学校で、例の�禁煙ナントカ�をくわえてみせ、先生を慌てさせている」
と聞いて、
「やるなあ」
と思った。ホントは、こんなところで感心しちゃいけないんだろうが、いやあ、当節のガキどものイタズラは手が込んでいる。
禁煙ナントカというやつは、早い話が、ハッカ・パイプだろう。オシャブリみたいなもんである。
オトナのオシャブリであるタバコをやめるのに、
「子供のオシャブリであるハッカ・パイプをもってきた」
というところに、あのメーカーのアイデアの卓抜さがあった——と、わたしは思っている。テレビのCMかナンかで、いいオトナたちが、
「私はこれでタバコをやめました」
と言っていたけれど、あれ、病みつきになる人が増えて、いまに「私はこれで禁煙ナントカをやめました」という製品も開発されるのではなかろうか?
それは、ともかく、高校生のオシャブリ騒ぎである。彼らにしてみれば、
「生徒がタバコを喫ってる!」
とカンちがいして駆けつけてくる先生の顔をみて笑いたいばっかりに、禁煙ナントカをくわえてみせているらしいのだが、さて、学校でオシャブリをくわえていいものか、どうか。
それにしても、ちかごろ、くわえタバコでクルマを運転している輩《やから》が、やけに目につく。それらをみるたびに、わたくし、
「ああいう連中のクルマにだけは撥《は》ねられたくないな」
と思う。
ホント、オシャブリをくわえながらクルマを運転するナンテ、許せない。