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男のためいき女の寝息48

时间: 2020-02-07    进入日语论坛
核心提示:働かざるもの朝日カルチャーセンター・横浜で、文章講座「コラム作法」の講師をしている。毎回作文の宿題を出して、添削《てんさ
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働かざるもの

朝日カルチャーセンター・横浜で、文章講座「コラム作法」の講師をしている。毎回作文の宿題を出して、添削《てんさく》する約束である。
しかし、ちかごろは常連が増えてきたために、
「作文の宿題は出すけれど、あんまり添削はしない」
というふうになってきた。みなさん、要領を覚えてしまって、なかなか手を入れさせてくれません。
でも、このあいだは、ちょっと様子がちがった。宿題のテーマを「働く」としたところ、三人もの受講生が、
〈この国に「働かざるもの食うべからず」ということわざがあるが……〉
と書いて、日本人のワーカホリックぶりを衝《つ》いてきたのだ。
正直な話、講師が困るのは、こういうときである。浅学菲才《せんがくひさい》な講師としては、
「待てよ。この国にそんなことわざがあったかな?」
ということで、まず頭を抱えてしまう。
そうして、あれこれ調べた挙句、この言葉の出典が『聖書』であり、マルクスの『資本論』であり、セントポールであることを知る。残念ながら、この国のことわざではないのだ。
そこで、受講生に向かって、
「こういう書き方で、日本人のワーカホリックぶりを衝くのは、いかにもマズい。だいたいが、これは日本のことわざではなくて、外国のことわざなんだから……」
と言いかけているうちに、
「ことわざって、なんだろう?」
という疑問がかすめ、また頭を抱えてしまうのだ。ホント、こんなふうに出典がハッキリしているものも「ことわざ」と言うんだろうか。
いやはや、文章を書くことはむずかしい。そして、文章の書き方を教えるのは、もっとむずかしい。
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