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男のためいき女の寝息55

时间: 2020-02-07    进入日语论坛
核心提示:わが純情詩集の日そういえば、漫談の牧伸二はどうしちゃったろう? ウクレレ片手に、※[#歌記号、unicode303d] あー やん
(单词翻译:双击或拖选)
わが純情詩集の日

そういえば、漫談の牧伸二はどうしちゃったろう? ウクレレ片手に、
※[#歌記号、unicode303d] あー やんなっちゃった おどろいた
とやっていた牧伸二である。恥ずかしながら、わたくし、彼に恋の恨みがあるのだ。それも、彼にはなんの罪もないことだけれど。
——あれは、東京都庁詰めの新聞記者をやっていた時分だから、昭和三十三年か、四年か。有楽町に、まだ日劇があった頃だ。
ある日、記者クラブの共用電話が鳴って、偶々《たまたま》わたしが受話器を取りあげると、弾んだような若い女の声で、
「青木さん、いますか?」
と言う。素直に「ハイ、青木です」と答えた。
とたんに彼女、ケラケラと笑い出して、
「イヤァねぇ、ヘンに澄ましちゃって……」
と言うではないか。そうして「あたしよ、あたし。チエコです。もう忘れちゃったの?」と笑い転げている。
自慢じゃないが、身に覚えのない女性だから、忘れようがない。そこで、
「いや、忘れたわけではないけれど……」
と言葉を濁したのは、トーゼンのことながら、彼女に興味を持ったからである。当時、わたしは独身だった。
すると、彼女は何をカンちがいしたのか、
「あ、わかった! 隣に誰かいるんでしょう? それで、澄ましているんでしょう!」
と、勝手に合点してから、こんどはひどくマジメくさった声で、
「失礼しました。あたし、チー坊です。日劇ダンシング・チームのチ、エ、コ。いまから遊びにいっていいですかァ」
と言う。
「遊びにくるって?」
「だから、お茶飲みにいくんですよ」
喋っているうちに、彼女も「おかしいな」と思いはじめたらしい。いつのまにかクスクス声がオロオロ声に変わって、
「あのう」
「なんだ?」
「あなた、青木さんでしょ?」
「そうだ。青木だよ」
「ねッ、ハクチョウのマスターの……」
ここで「まちがい電話だ」と受話器を置くようでは、わたしは男じゃないだろう。相手は若い女だし、まして「日劇ダンシング・チームのチエコ」と名乗っているのである。わたしは勇を鼓《こ》して、
「よし、会おう!」
と叫んでいた。
ご存じか、ご存じでないかは知らないが、そのころの日劇は、有楽町の駅を挟んで、都庁とは目と鼻の先にあった。そして、彼女が言う「ハクチョウ」は、いまでも残っていると思うが、その中間の露地にあるパチンコ屋の二階の、エスカレーターで昇っていく喫茶店「白鳥」だ。
たぶん、そこのマスターも「青木」というのだろう。それに、これはあとでわかったことだが、喫茶店「白鳥」の電話番号と都庁の記者クラブの電話番号は、ホントに一番ちがいだったのだ……。
おたがいの背恰好や服装を説明し、同時に日劇、都庁を出た二人は、三、四分後には有楽町の駅前で、
「チエコか?」
「青木さん?」
と名乗り合っていた。チエコは、ちょっとグラマーで、笑うとエクボが可愛い女だ。
「とにかく、お茶でも飲んで……」
二人して歩き出すと、ガード下の果物屋の店員が、彼女の名を呼んで、
「ヘェー、チー坊に男がいたの?」
と冷やかし、彼女が嬉しそうに、
「うるせぇやい! あたしにだって男ぐらいいるよ」
と応じて、ことさらに腕を組んできたのを、わたしは、いまでもハッキリ覚えている。わたしは、記者クラブを無断で抜け出したことも忘れて、ただもうドギマギしていた。
その後のことは、端折ろう。チエコは、日劇ダンシング・チームの最前列ではないが、次の次の列ぐらいで踊っており、
「本職だけでは食べていけないので、夜はアルバイトにキャバレーまわりをやっている」
ということだった。
さて、それからのわたしは、日劇がハネるころ、裏口で彼女を待っていて、毎晩のように彼女がキャバレーをまわるのを、付き人よろしく尾《つ》いて歩いたものだ。チエコは、いわゆる南京袋に踊り子の衣装を入れ、それをわたしに持たす。わたしはそれを胸に抱え、たとえばキャバレー「ミス東京」なら「ミス東京」に裏口から潜り込み、カウンターの隅っこで水割り一杯ぐらい振る舞われて、彼女の出番が終わるのを待つのである。あとは、彼女が�お姉さん�と呼んでいる人のやっている新橋の酒場へ彼女を送っていき、飲みなおす。
それにしても、あのころのわたしは純情だった。その�お姉さん�に、
「あんた、チエコに手を出しちゃダメよ。踊り子は男を知ると、すぐに体の線が崩れちゃう」
と言われ、しばらくはそれを本気にしていたのだから……。
しかし、チャンスがやってきた。あの牧伸二と一緒に、チエコが「横浜のキャバレーに出る」という。
「どうせ終電はなくなっちゃうだろうし、横浜からではタクシーじゃ帰れないわね」
「まかせておけ」
と、わたしは胸を張った。その夜、わたしは横浜のホテルを予約し、そうして、すっかりその気[#「その気」に傍点]になっていた。
そのホテルに、チエコから、
「牧センセイがクルマで送ってくださるっていうもんだから……」
と電話がかかってきたのは、午前二時近くだったろうか? わたしが地団太踏んだのは、言うまでもない。
※[#歌記号、unicode303d] あー やんなっちゃった あきらめた
チエコとは、くやしいけれど、それっきりだ。
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