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男のためいき女の寝息63

时间: 2020-02-07    进入日语论坛
核心提示:木曽路はすべて「趣味は?」と訊かれて、「読書です」と答えるわけにはいかない。わたしのようなモノ書きにとって、本を読むこと
(单词翻译:双击或拖选)
木曽路はすべて……

「趣味は?」
と訊かれて、
「読書です」
と答えるわけにはいかない。わたしのようなモノ書きにとって、本を読むことは生活そのものだからである。
されば、
「趣味は?」
と訊かれて、
「旅行です」
と答えることができるか、どうか。やはり、答えるわけにはいかないだろう。わたしにとって、旅をすることもまた生活そのものだからだ。
今週は、土曜から日曜にかけて、気の合った友人たちと一緒に信州に出かけている。いまは亡き高木健夫先生の墓参を口実に、諏訪から木曽路をまわってきたのである。
先週は、日本作詩大賞の審査のために、大阪へ出かけている。夜のナマ放送だったから、当然のことながら一泊して、翌日は独り大阪の街をそぞろ歩きだ。
その前の週は、嵯峨の大覚寺さんに招かれて、京都へ行っている。大沢池に浮かべた船の上で、お月さまを眺めてきた。
正直言って、この間に、いわゆる講演旅行である。悪友たちに、
「いったい、いつ原稿書くんだ?」
と嗤われるが、わたし自身にも、よくわからない。
今週の信州行きは、ホントに�瓢箪から駒�だった。先生の七回忌を機に、先生の遺稿である『新聞小説史年表』を弟子の一人の柴瑳予子さんがまとめたのを慰労するため、一ヵ月ほど前に東京は新宿で晩飯会を開いたところ、諏訪から駆けつけた仲間が、
「たまには信州へ来いや」
と言うから、
「この夏に行ったばかりじゃないか」
と応じたら、
「何遍でもいいから、来い」
と叫ぶ。そこで、
「うるせえ!」
と怒鳴ったところ、
「来るかァ」
と言うので、
「ようし」
腕をまくると、
「じゃあ、来るんだな」
と、こうである。なんだか、うまく嵌《は》められた感じだ。
いまさら、
「土曜日は、カルチャーセンターの講座があるんだ」
と言ったって、もうカンベンしてもらえない。相手に「講座なんか休んじまえ」と言われて、
「じゃあ、休講にするか」
と言ったから、傍らにいた『新聞小説史年表』の発行元である国書刊行会のW君が驚いた。
「そんなことで、休講にしていいんですか」
「ああ、構わない。受講生のみなさんに謝っておく」
それにしても、準備をすすめているうちに、先生の『新聞小説史年表』が毎日新聞の毎日出版文化賞特別賞受賞に内定した——という知らせが入ったから、たまらない。柴さんから電話があって、
「当日はドンチャン騒ぎですからね」
自慢じゃないが、そんなこと、言われるまでもない。当日は生憎の雨だったが、雨で中止するようなヤワな連中ではない。バスが約束の集合場所である新宿を出発する前から、飲みはじめた。
だいたいが先生は洒脱な人で、
「いいか。俺の墓参りに来るときは、新宿を離れたときから飲んで来るんだぞ」
というのが、遺言なのである。弟子たちとしては、イヤでも、その遺言に忠実にならざるをえないではないか。ただ、今回は新宿を離れる前から飲んでいただけだ。
時は秋——
信州の黄落・紅葉には、ちと早かったが、酔った眼には、これが何とも言えぬ風情である。缶ビールを手に、
「紅葉も、真っ赤になる直前がいい」
と宣《のたま》うのは、大正大学文学部教授の林亮勝先生である。
日曜日は前日の雨も上がり、上松《あげまつ》から寝覚ノ床に至る間に差しかかったときはみごとに晴れて、山峡から木曽御岳の頭がクッキリと見えた。
「珍しいなあ」
新参のW君が、思わず大声をあげる。
「ボク、仕事でしょっちゅうここ[#「ここ」に傍点]をクルマで走りますが、こんなところから御岳を目にしたのは初めてです」
木曽路は、馬籠宿、妻籠宿をブラブラと歩いた。あらためて説明するまでもないが、
「木曽路はすべて山の中である」
という文章ではじまる島崎藤村の名作『夜明け前』の舞台だ。
昔ながらの面影を残す宿場町の軒に、その文句をみつけて、幹事役であるY新聞のH君がゆっくりと読んだ。
「木曽路はすべて酒の中である」
彼も、相当に酔ったらしい。
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