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男のためいき女の寝息67

时间: 2020-02-07    进入日语论坛
核心提示:ウナギと山本周五郎ウナギが好きだ。横浜に住んでいる関係で、いまは亡き小説家・山本周五郎さんがヒイキしていた関内のウナギ屋
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ウナギと山本周五郎

ウナギが好きだ。横浜に住んでいる関係で、いまは亡き小説家・山本周五郎さんがヒイキしていた関内のウナギ屋へも、ときどき出かける。
仲居さんに、
「何のご商売ですか?」
と訊かれたこともあるが、べつに名乗るほどのこともないので、黙っている。できることなら、フリの客でいたいのである。
それに、こっちは、いわゆる�入れ込み�の食堂部を愛用しているくちなのだ。めったなことでは、座敷のほうには上がらない。
それでも、このあいだは、八十歳を過ぎたお袋を招んで、親孝行のマネゴトをした。お袋や女房や妹に囲まれて一杯機嫌のわたしを、仲居さんたちは何者と思ったことだろう?
通された部屋が、階段を昇ってすぐの、たまたま山本さん愛用と伝えられる「月の間」だったもんだから、
「そこが、例の『日本婦道記』の作者が坐った場所だよ」
お袋に説明したら、
「おや、よくご存じで……」
いっぺんに仲居さんたちが打ちとけてきた。
「山本先生は、ねぇ、食堂部にもしょっちゅういらしていたんですよ」
「なんだ? 座敷ばっかりじゃないのか」
「ええ、フラリと独りでやってきては、食堂部の隅で、隠れるようにして飲んでらした」
「…………」
「ところが、みつかっちゃうのね。居合わせたお客さんに会釈かなんかされると、たいへん。すぐに�あ、あの人のお勘定、ボクにつけといて�と、こうですからね」
「…………」
「ところで、お客さん! そんなとき、お客さんだったら、どうなさいます?」
言われて、わたしは慌てて答えた。
「ウーン、おれ? おれだったら�あ、おれの勘定、あの人につけといて�と、そう言うねぇ」
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