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男のためいき女の寝息72

时间: 2020-02-07    进入日语论坛
核心提示:わが旧婚旅行ことし(一九八七年)の夏は三泊四日で、女房と二人で�東北へ旧婚旅行�とシャレた。青森ねぶた、秋田|竿灯《かん
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わが旧婚旅行

——ことし(一九八七年)の夏は三泊四日で、女房と二人で�東北へ旧婚旅行�とシャレた。青森ねぶた、秋田|竿灯《かんとう》、山形の花笠まつり、仙台の七夕をハシゴしてきたのである。
去年までは、
「夏休みは、家族旅行」
というふうに決めていた。新聞記者だった関係もあって、とかく家族との接触がなおざりになりがちなので、罪滅ぼしの意味も兼ね、夏休みには必ず子供たちをどこかへ連れていくのである。
それが、ことしは、娘たちのほうから、
「たまには老夫婦だけで出かけたら」
と言い出しやがった。娘三人は、それぞれ思い思いのレジャーを楽しむつもりらしい。
「老夫婦とはナンだ、老夫婦とは……」
自慢じゃないが、こっちは結婚して、まだ二十六年しかたっていない。いうなれば、二十七年目のホヤホヤである。
それにしても、子供たちの計らいで、二十六年ぶりに夫婦ふたりだけの旅とはテレくさい。女房が駆けずりまわってツアーをみつけてきた。
ホントは、二人して気儘に動きたかったのだけれど、いまどき、そんなことは不可能にちかい。期間中は、ホテルにしたって、東北新幹線のキップにしたって、ほとんど旅行代理店に買い占められているんだそうだ。
それでも、比較的自由行動の多いツアーを選べたのは、僥倖《ぎようこう》だった。旅行代理店によっては、
「相部屋でなければ」
というところもあった——と聞く。
朝早く上野を発って盛岡に着いた。盛岡市内で昼食をとり、東北自動車道を青森に向かう。一日目は、ねぶた祭りの見物である。
漫画家の岡部冬彦さんに、
「電線や歩道橋のせいで、灯籠の高さが制限されちゃってネ」
という話を伺ったことがある。「ねぶたがホントに寝ブタになっちまいやがった」
しかし、初めてみるわたしにとって、台車の上に針金と木で、組み立てられた武者人形の灯籠は、かなりの迫力だった。それに「ラッセラ、ラッセラ」の掛け声とともに踊り狂う何百人もの跳人《はねと》たち……。
二日目は、八郎潟から男鹿《おが》半島をまわって、秋田に入った。秋田は、何度か講演に来たことがある。日が暮れるまでは、城址の千秋公園の蓮を眺めて遊んだ。
竿灯《かんとう》は、高さ十二、三メートルにも及ぶ竿に、合計四十六個の提灯をさげて灯をともし、これを若者が肩なり腰なりで操りながら、お囃子にのって歩く祭りだ。鉢巻き、印ばんてん、白足袋姿も軽快だが、竿灯の重さが「五十キロはある」と聞いて、キモを潰した。
わたしたちの目の前で演技したのは、秋田の新聞社の連中だったが、
「若衆のなかに新人の記者もいる」
と言われて、他人事《ひとごと》ながら手に汗にぎった。なかには二、三度失敗した者もいたが、あれで翌日からの取材がうまくいくんだろうか——と、心配した。
※[#歌記号、unicode303d] 花の山形 紅葉の天童
という民謡で知られる花笠まつりは、その単調さが驚異だった。色とりどりの衣装で、たしかに華やかにはちがいないが、例の「ハア、ヤッショォマカショ、シャンシャンシャン」といった囃子に合わせ、ただただ踊り歩くだけだ。
なかでも、女子高生のチアダンスが人目をひいた。高校野球の県代表に選ばれた学校のチームは甲子園に行っているはずだから、代表校の生徒ではない。
そして、仙台の七夕は、政宗ブームと重なって、いやもう、たいへんな人の波だ。昼間っからビールを飲んでいたことはいたが、うちわ片手に、ただゾロゾロと鮮やかな七夕飾りのトンネルを歩くだけで、人に酔ってしまう。
情けないことに、カメラはオモチャみたいな、シャッターを押すだけのやつである。ねぶたにしたって、竿灯にしたって、まともに撮れるもんじゃない。
ところが、よくしたもので、どこの祭りでも、
「記念に、写真はどうですか?」
と、若者たちが自分で撮した写真を売りにくるのである。恥ずかしながら、こっちは、はじめっから「自分が撮した写真で記録をつくりたい」なんて気がないから、適当に買い求めた。
そこで、仙台でもそのつもりで、中央通りの真ん中あたりにある写真屋の出店の前で立ち止まった。ちょうどカメラのフィルムが切れそうだったので、
「その写真も一緒に」
と、ちいちゃなアルバムを買おうとしたのだ。
「四百円のと五百円のとがありますが……」
サンプルをみせられ、
「五百円のほうをもらう」
フィルム代と合わせて、代金を払った。が、これが、宿へ帰って包みを開いてみたら、まるっきりチャチな絵葉書だったから、腹が立つより悲しかった。
たった五百円のことかも知れないけれど、そして、店の人もホントはまちがえたのかも知れないけれど、こっちは、裏切られたような気持ちで缶ビールを呷《あお》らざるをえない。心なしか、缶ビールまでがナマあたたかかった。
そういえば、この缶ビールも、青森や秋田、山形では一本二百二十円なのに、なぜか仙台では三百円だ。それも、ちゃんとした酒屋で買って、これなのである。
いかに�七夕値段�とはいえ、政宗の後裔はセコい。市役所近くで、気さくなウナギ屋をみつけた直後だっただけに残念だった。
仙台には、何人か、友人がいる。この春も、友人に招ばれて、雪の青葉城やら伊達ゆかりの仙台市博物館やらを案内してもらったばかりだ。
こんども、
「お友達を訪ねれば」
と子供たちに言われたが、
「迷惑だろうから……」
と思って、遠慮した。なにしろ、生まれて初めての旧婚旅行だもんね、新しい地下鉄に乗ってきた。
それは、まあ、ともかく——
わずか三泊四日の旅だけれど、いつでも頭の隅っこにあったのは、原稿の締め切り日のことである。地元の酒を飲みながらも、
「帰ってあれとあれを書かなきゃ……」
と考えている。
「生まれ変わって新しく仕事につくとしたら、こんどは仕事のことを忘れて休めるような仕事を選ぼう」
帰りの新幹線の中で、しみじみと思った。
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