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男のためいき女の寝息73

时间: 2020-02-07    进入日语论坛
核心提示:「鬼の霍乱《かくらん》」始末記その一 病名は顔面神経マヒ自分で、「どうも様子がおかしい」と思いはじめたのは、晩酌のときだ
(单词翻译:双击或拖选)
「鬼の霍乱《かくらん》」始末記

その一 病名は顔面神経マヒ
自分で、
「どうも様子がおかしい」
と思いはじめたのは、晩酌のときだった。ビールを飲もうとしても、口から溢れてしまうのである。
諦めて飯《めし》にしたが、こんどは飯粒がボロボロこぼれる。女房に、
「だらしないわねぇ」
と笑われ、
「うん、まあ」
とゴマ化していた。
しかし、このときは、まだ女房も亭主の病状に気づいてはいない。当人が気づいていないんだから、女房に「気づけ」というほうが無理だろう。
翌日、会合があって出かけた。横浜のニューグランド・ホテルで、気心の知れたもの同士が一杯やりながら「勝手なことを喋ろう」という会である。
席に着いたとたん、
「おい、どうした?」
と、みんなから声がかかった。ほとんど同時だった。
「どうしたって?」
「その顔だよ」
「オレの顔?」
「ああ、曲がっている」
恥ずかしながら、この期《ご》に及んでも、わたしは、まだ気づいていない。自慢じゃないけれど、子供の時分から、
「オマエの顔は曲がっている」
と言われ慣れてきたこともあって、
「曲がっているのは、なにも顔だけじゃねえや」
と言いかけ、不意に心細くなった。
いつもなら、
「うん、そうだよな。曲がっているのは、根性のほうだよ、な」
と相槌を打つH先輩が、
「早く帰って、医者に診てもらえ。医者がダメだったら、とりあえずマッサージでもとるように……」
と、マジメな調子で言いだしたからだ。訊けば、奥さんも同じ症状で、
「カミさんのやつ、手当が遅れたばっかりに、治るのも遅れている」
と言う。
そこで、女房に電話し、マッサージ師を自宅に呼んでもらっておいて、引き揚げた。たまたまゴールデン・ウィークの、天皇誕生日の前の日だったため、心当たりの病院は一軒も開いていない。
それにしても、
「われながら図々しいな」
と思うのは、天皇誕生日の翌日には、飛行機で中国に飛び立っていたことである。五泊六日の予定で、若い友人たちと一緒に大連から瀋陽《しんよう》、北京をまわる約束だったんだから、仕方がない。
中国には、すでに十回近く行っているが、大連、瀋陽は初めてなので、女房には、
「イザとなったら、向こうで鍼《はり》でも打ってもらうから」
と言い残して、強引に出発した。正直なことを言えば、なにがなんでも日本から離れたかったのが、ホンネだ。
「この国にいるから、原稿の締め切りに追われる。仕事とも面と向かい合わなければならない」
なぜか、そんな恐怖感めいたものにかられていた。それで、壊れた顔のまんま、アカシヤには少し早い大連空港に降り立った。
さいわい同行の連中が顔のことを話題にしないように気を遣ってくれたので、老酒をこぼしながらも、なんとか頑張ることができた。こんどで三度目だったけれど、ちゃんと万里の長城にも登ってきた。
帰国し、一夜明けたら、
「なんでもいいから、夕方、わが家へ来い」
と、中学以来の友人Eから電話である。Eは、東洋医学も極めている内科医で、
「これから出張だが、帰りしだい診てやるから、家に来て待っていろ」
という。H先輩の忠告もあって、わたしの留守中に、女房から一部始終が報告してあったらしい。
それにしても、持つべきものは、友だ。それも、兼好法師じゃないけれど、
「よき友に三つあり、一つには物くるる友、二つには医師《くすし》、三つには知恵ある友」
というわけで、わたしは、おおげさに言うと、左右二センチほどずれてしまった顔を友人のところで治してもらっている。
「病名は、顔面神経マヒ。原因は、過労とストレスかな? 仕事は、できるだけ家に持ち込まないように」
文筆業という名の受注家内労働者であるわたしに、友人はニコリともせずに言ってのける。ホント、名医はつきあいにくい。
 その二 よき友|医師《くすし》
ことわざに、
「持つべきものは友」
という。そうして、あの兼好法師さんも『徒然草』に、
「よき友に三つあり、一つには物くるる友、二つには医師《くすし》、三つには知恵ある友」
と書いて、持つべき友の一人に医者を挙げている。
しかし、どういうわけか、友人の医者にはかかりにくい。まして幼馴染みとあれば、尚更である。
「なぜだろう?」
と考えているうちに、
「自分のプライバシーに触れられたくないからではなかろうか?」
とも思ったが、どうも違う。言っちゃナンだが、わたしたちが友人の医者を敬遠する理由は、そんなに単純なものではない。
「ハテ、どうしたもんだろう?」
と頭を抱えていたら、例の青年医師の�美人看護婦殺し�が起きて、ハタと思い当たった。いや、事件そのものから思いついたわけではなくて、事件を報じた週刊誌に医事評論家の小山寿さんがコメントをつけているのを読んで、思い当たったのだ。
小山さんは、こんなふうに喋っている。
「昔、医者になる人は、たとえば僕の高校時代の同級生をみますとね、クラスの中で優秀な人は医者にならなかった。医者という職業は決していい仕事ではなかったんです。汚いものを見たり、触ったりしますからねえ。だから、医者になる人というのは、どうしても病人を助けたいというホットな心を持った人だった。頭は特にいい必要はなかった」
そうなんだ! わたしの友人にもたくさんの医師がいるけれど、あいつら、学生時代は、けっして頭なんかよくなかった。どちらかといえば人が好く、オッチョコチョイが多かった。
じつをいうと、それが、わたしをして、友人の医者の門を叩くのを躊躇させているいちばん[#「いちばん」に傍点]の原因なのだ。かりに胃なら胃をこわして、
「何某は、その道じゃ名医だってよ」
という評判を耳にしたところで、
「あいつがァ?」
と、つい疑ってしまう。
「あいつは、学生時代、喧嘩っぱやくて、いつも殴りっこしては、先生に叱られていたじゃないか」
「あいつは、学生時代、とっても惚れっぽくて、すぐに隣の女学校の生徒に付け文しては、しょっちゅうフラれていたじゃないか」
困ったことに、医者の友人の名を聞くと、わたしたちの脳裡をよぎるのは、かつての、そんな思い出ばかりである。
ところが、そんなふうに人が好く、オッチョコチョイであることが、ホントウは名医の条件の一つであることを知ったのは、もちろん、わたしがたまたま顔面神経マヒを患い、思い余って夜おそく友人の医者の門を叩いてからだ。
「スマンなあ」
「なあに、お安いご用だ」
彼は、気さくに診てくれた。この気さくさこそ、いまの医師に欠けているものではなかろうか。
 その三 感じる? 感じない?
友人の医学博士を、
「東洋医学を専攻した……」
と紹介したら、
「ちがうよ」
と注意された。
「それを言うなら�東洋医学も専攻した……�と言うように」
知らなかったが、いわゆる�東洋医学�では、医学博士にはなれないんだそうな。こういうことは、聞いてみなけりゃわからない。
友人の医学博士は、専攻は内科・小児科であるが、併せて鍼灸も研究した。博士みずから鍼を打つこともあるけれど、医院には専門の鍼灸師が詰めている。
そのうちの一人が妙齢の美女で、患者のなかには、彼女に打ってもらうのを楽しみにやってくる不埒《ふらち》な奴もいるらしい。
「なに、きょうは院長先生が打つの? じゃあ、オレ、やめた」
順番を待っていると、ときどき診察室のほうからそんな声が聞こえてくる。そのたびに、わが友人は、
「コラッ、貴様、何しにきた?」
と、患者に向かって怒鳴っている。
「きまっているじゃないか! 女先生に診てもらいにきたんだ」
患者のほうも、平気で減らず口を叩いている。言っちゃナンだが、なかなかイイ雰囲気である。
わたくしメは根がマジメだから、そんなことにいっさい拘泥しない。たまたま顔面神経マヒを患い、
「鍼がいいんじゃないか」
と聞いて彼を訪ねた以上は、すべてを彼に委せている。
鍼にも�叩く鍼�と�置いてくる鍼�の二通りあって、彼のところは�置いてくる鍼�である。何本も、何十本も打ったまま、三十分以上はじっとしていなければならない。
それを仰向けと俯伏せのウラ表やるわけだが、院長先生が患者から敬遠されるのは、たまに一、二本抜くのを忘れるからだ。院長先生に、
「ハイ、結構ですよ」
と言われてズボンを履きかけると、チクリとくる。
「イテテ」
そう言うと、
「ホイ、また忘れたか」
院長先生は、しごく大様《おおよう》である。
いつだったか、
「彼女に診てもらうか」
院長先生に言われて、ベッドに寝そべった。女性だけあって、ツボを捜す感触ひとつにしても、たしかに当たりがやわらかい。
薄く目をつむると、とたんに院長先生が言いやがった。
「どうかね? 何か感じるかね?」
恥ずかしながら、返事に困った。
だって、そうでしょう? こういう場合、何と答えたら、いいのか?
「感じる」
と答えたら失礼だし、
「感じない」
と答えたら、ねぇ、もっと失礼ではありませんか。
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