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男の日曜日04

时间: 2020-02-07    进入日语论坛
核心提示:不実者俗に、「斬った、張った」という。人間を斬ったり、殴ったりすることである。あまり|いい《ヽヽ》趣味ではない。そこで、
(单词翻译:双击或拖选)
不実者

俗に、
「斬った、張った」
という。人間を斬ったり、殴ったりすることである。あまり|いい《ヽヽ》趣味ではない。
そこで、
「切った、貼《は》った」
というのは、どうだろう? 新聞を切ったり、貼ったりすることだ。言っちゃナンだが、俄然《がぜん》、男らしい趣味になるのではなかろうか。
ところで、
「なぜ、新聞の切り抜きをするのか?」
と訊《き》かれると、おおかたの男たちは、
「あとで、なにかの役に立つかもしれないから」
と答えるが、なあに、こんなもの、なんの役にも立ちはしない。男は、ひたすら切って、貼って、溜《た》めているだけだ。
それにしても、情報整理の大原則は�捨てる�ことだろう。いいかげん溜まったら、スクラップ・ブックなんか、思いきって捨ててしまいたい。
が、これが、なかなかできないんだなあ。そのために、いつまでもズルズルベッタリの関係がつづいて、それこそ、あっちこっちの女から、
「不実者!」
と詰《なじ》られたりして……。
それは、まあ、ともかく、こんな話を聞いた。
——さる役所で、スクラップ・ブックが倉庫いっぱいになり、これ以上、収納しきれなくなったらしい。職員が困って「どうしましょう?」と課長氏に相談したところ、課長ドノ、
「ウーム」
と、しばらく考えていたが、やおらポンと手を打って、
「よし、ぜんぶ焼いてしまえ。ただし、一部ずつ、きちんとコピーをとってな」
そんなわけで、新聞の切り抜きは、最も男らしい趣味の一つだ。あの入江徳郎さんも、
「新聞という広いフィールドで、有用な記事という獲物《えもの》を求めて、情報をハンターするような気持ちだ。ハサミが鉄砲であり、スクラップ・ブックは獲物の置き場である」
と言っている。
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