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男の日曜日20

时间: 2020-02-07    进入日语论坛
核心提示:趣味は編みものいつだったか、〈「趣味は?」と訊《き》かれて、「編みもの」と答える。「なぜ?」「あのねえ、いちど電車の中で
(单词翻译:双击或拖选)
趣味は編みもの

いつだったか、
〈「趣味は?」
と訊《き》かれて、
「編みもの」
と答える。
「なぜ?」
「あのねえ、いちど電車の中でやってごらんなさいな。電車が揺れるたんびに隣のひとの目を突っつきそうになって、そりゃあ、面白いから……」〉
といった文章を書いたことがある。もちろん、ジョウダンだ。
戯文を書いて、
「これは、ジョウダンだ」
と、いちいち断るのには、むろん、意味がある。そういうふうに断っておかないと、
「ジョウダンじゃないッ」
と叱られてしまうノダ。
トーゼンのことながら、そのように叱ってくるのは、なぜか女性である。男性はイイ加減だから、たいがいのことは「いいよ、いいよ」と、大目に見てしまう。
しかし、わたくし思うに、男性の人生、じつは、この「いいよ、いいよ」の精神でもっているような気がするが、どうだろう? もし、男性から、この「いいよ、いいよ」を奪ってしまったら、それこそ、男性は男性でなくなってしまうのではなかろうか?
だいたいが、編みものにかんして「あのねえ、いちど電車の中でやってごらんなさいな」という発想が、男性そのものである。女性はマジメだから、間違っても、こんなバカなことを考えるわけがない。
かりに、女性が電車の中で編みものをしていて、隣のひとの目を突っつきそうになったところで、それは、悪意があってやったことではない。彼女たちに言わせれば、そこにひとがいるからいけないのである。
それにしても、レース編みのことを語るのに、
「隣のひとの目を突っつく」
という話からはじめることからして、男性ならでは……の、イイ加減な発想だろう。言っちゃナンだが、レース編みの針は、そんなに長くないから、たとえ電車の中でテーブル・クロスかなんか編んでいても、隣のひとの目を突っつくようなことはない。
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