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男の日曜日36

时间: 2020-02-07    进入日语论坛
核心提示:万延元年の感想昭和ヒトケタ生まれの男たちについて、「ダンスが出来ない」と喝破したのは、小説家の野坂昭如さんだ。ご自身も焼
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万延元年の感想

昭和ヒトケタ生まれの男たちについて、
「ダンスが出来ない」
と喝破したのは、小説家の野坂昭如さんだ。ご自身も焼跡闇市派の野坂さんは、
「猫も杓子《しやくし》も社交ダンスに浮かれて、電車待つ間も、フォームで、ステップ踏んでいた時代には、ちょっと子供すぎたし、いよいよその資格のできた頃に、ブームは去っていて習うチャンスを逸し、ふと気がつけば、何時《いつ》の間に覚えたのか、上も下も器用に踊るのに、自分だけ出来ず、苛立《いらだ》ち一念発起して教習所へ通っても、なにやら空《むな》しく、せいぜいブルースで放棄する」
と書いている。
しかし、そういうことなら、かの山口瞳さんも、自分と同じ世代の男たちのことを、
「みんなぶきっちょだ。仕事にしても、遊びにしても。友人たちをみても、ダンスができない、車の運転ができない、英会話ができない、といった連中が多い」
と書いていらっしゃる。ご存じのように、山口さんは大正フタケタ生まれの人間である。
これを要するに、
「大正の人間や昭和ヒトケタの人間には、ダンスができないのか」
というと、そうでもあるまい。もちろん、昭和ヒトケタの人間でダンスができる奴もいれば、大正の人間で、ダンスだって、車の運転だって、英会話だってできる奴がいるはずである。トーゼンのことながら、昭和フタケタ、ミケタの人間にもダンスや車の運転や英会話ができない奴はいるだろう。
ところで、モノの本によると、社交ダンスの本質は、あくまでも男子がリードをし、女子がフォローをすることにあるらしい。つまり、
「ダンスが出来ない」
と嘆いている男たちは、いちはやく女性上位の時代がくることに怯《おび》えてしまった男たちなのではなかろうか?
もっとも、
「足をそば立て、調子につれてめぐること、コマネズミのまわるごとく、なんのふぜいもなし」
というのが、はじめてダンスなるものをみた野暮な日本男児の感想だったそうな。万延元年(一八六〇年)にアメリカへ渡った幕府の使節が書きのこしている。
ひょっとしたら、万延元年の男たちも女性上位の時代がくることに怯えていたのではなかろうか?
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