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男の日曜日43

时间: 2020-02-07    进入日语论坛
核心提示:ナワノレン・バカ虎造さんのナニワブシに、※[#歌記号]いつも変わらないのが旅の衆の話という文句があって、この文句は、※[
(单词翻译:双击或拖选)
ナワノレン・バカ

虎造さんのナニワブシに、
※[#歌記号]いつも変わらないのが旅の衆の話
という文句があって、この文句は、
※[#歌記号]利口がバカ※[#小さな「ン」]なって喋《しやべ》りつづける
というふうにつながるのである。言っちゃナンだが、いつものナワノレンとおんなじである。
早い話が、これを現代に移すと、
※[#歌記号]いつも変わらないのがサラリーマン衆の話
といった按配《あんばい》になるのでなかろうか? それも、どういうわけか上役の悪口だ。
利口がバカ※[#小さな「ン」]なって、
「あのバカ部長が……」
「このバカ課長が……」
と、けなしつづけている。失礼ながら傍らで聴いていると、
「会社はバカばっかり」
という感じである。ホント、バカバカしいみたいなもんだ。
しかし、彼らが、部長なり、課長なりを、ホントに、
「バカだ」
と思っているとは考えられないので、あれは、やはり、セレモニーか何かなのだろう。いま、ナワノレンでオダをあげてるサラリーマン衆に、
「バカだ、バカだ」
と言われつづけている部長や課長も、たぶん何年か前までは、このサラリーマン衆と同じように、そのときの部長なり、課長なりをつかまえて、
「バカだ、バカだ」
と言ってきたにちがいない。
こうしてみると、いつものナワノレンで、サラリーマンたちが、そのときの部長なり、課長なりを、
「バカだ、バカだ」
と言うからには、自分が部長なり、課長なりになったときも、やはり、自分たちが言ってきたように、
「バカだ、バカだ」
と言われるのを覚悟してのことだろう。とてもじゃないが、本気で言っているとは思えない。
だいたいが、バカばっかりで会社が成り立つわけがないのだから、
「バカだ、バカだ」
というのは、やはり、演技なのだ。サラリーマンというやつ、酒を飲んでまでも演技をしなければならないなんて、メンドくさいねえ!
そのなかで、いくつかヘタな演技を拾い集めてみたら、いっぽうで上役をバカ呼ばわりしながら、自分の会社のことを、
「こんな会社、いられないよ、ねぇ」
とクサしているのが、いちばん情けないように、わたしには思える。ホントにいられないんだったら、さっさとやめてしまえばいいではないか。
みずからはやめることもしないで、
「ホント、こんな会社、早くやめたほうがいいよ」
などと言っている連中は、それこそ自分のバカを宣伝しているようなものだ。われわれが上役を、
「バカだ、バカだ」
と言うのは、あくまでもセレモニーなのだから、マナーを外しちゃいけない。マナーを外してしまったら、ミもフタもない。
次に、
「見ちゃおれん」
といった感じのバカ談義は、いわゆる断定型というか、問答無用型というか、そんなタイプである。たとえば、彼は、コップ酒をあおって言う。
「わかってンだよ。部長には、ヤル気がないんだよ。オレたちが何を言おうと、言うことはキマっているんだ。こんどだって、もうわかるんだ。聞かなくたって、いいや。わかってるよ。わかっているってば……」
よけいなことだが、ナニがわかっているのか、傍らで聴き耳を立てている人間には、サッパリ、わからん。
それでも、仲間たちが、
「そうだ、そうだ」
といった顔でニヤニヤしているのは、そうやってオダをあげてる奴が、いかに内容空疎なことを喋ろうと苦労しているか、とっくの昔に察しているからだろう。ホントのことを言うと、こうやってニヤニヤしている連中のほうが、もっとタチがわるいのかもわからない。
彼は、バカだから、つい調子にのって大きな声を出しているけれど、バカのクセに利口ぶっている奴は、酒も、よう飲まん。ただコップ片手に、それでも仲間外れにされるのがコワいもんだから、いつまでもグダグダグダグダつきあっている。ホント、バカみたい。
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