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男の日曜日50

时间: 2020-02-07    进入日语论坛
核心提示:余人を以《もつ》て代えがたしいただいた年賀状に、月曜日 もんでえ火曜日 チュウしてえ水曜日 上になってえ木曜日 さすって
(单词翻译:双击或拖选)
余人を以《もつ》て代えがたし

いただいた年賀状に、
月曜日 もんでえ
火曜日 チュウしてえ
水曜日 上になってえ
木曜日 さすってえ
金曜日 ひらいてえ
土曜日 さ、立ってえ
日曜日 はさんでえ
とあったのには、笑っちゃった。著作権を云々されては叶《かな》わないから、はっきり記しておくが、日本ヘルスメーカーさんからの年賀状である。
曜日をうたいこんだ文句では、山口瞳さんのエッセイ集『酒呑みの自己弁護』(新潮社)につけられていたオビの文句が傑作だった。これも、作者を明らかにしておくと、池田雅延さんという編集者で、
月曜 一日会社へ行って
火曜日 夜更けに九連宝燈
水曜 一晩小説書いて
木曜 三時の四間飛車
金曜 日暮れに庭木をいじり
土曜日 たそがれ馬券の吹雪
日曜 朝から愛妻家
というものだ。そうして、これには、
月月火水木金々
酒を呑みます
サケなくて
何で己れが 桜かな
という素晴らしい詩(!)も添えられていたのである。
されば、このわたしが、さるワインのCMを頼まれて、
「飲むのは、月・水・金と火・木・土だけに決めている。ときどき約束を破って日曜日にも飲むが、このときは×××・××××(と、ここでワインの銘柄を挙げ)を飲む」
と書いた文章など、たちまちにして色あせてしまうではないか。わたしなんぞは口惜《くや》しいもんだから、このあと、
「ただし、約束を破って日曜日に飲むのは、週に一回だけ」
と、断っている。
さて、会社をやめて、
「なにが変わったか!」
というと、なにはサテおき、
「曜日の感覚がなくなった」
ということではあるまいか? げんに、わたしは、きょうが何曜日であるかを忘れて、原稿を書いている。
子供たちに、
「ねえ、たまには日曜日の食事ぐらい外でしたら?」
と言われて、
「そうか、きょうは日曜だったのか」
といった感じである。ホント、会社をやめてしまった男には、土曜も日曜もない。まして、ブルー・マンデーもなければ、イエロー・チューズデーもないのだ。
よけいなことだけれど、会社をやめてしまうと、
「夕方、電話がかかってくる」
ということもない。ナニ? なんの電話かって!
きまってるじゃないか。いつもの飲み屋のママから、
「お元気ィ?」
と言ってくる電話である。
こうしてみると、サラリーマン時代は楽しかった。実際問題として、いろいろな誘惑があり、コトのついでに言わせてもらえば、その誘惑を断々固々として撥ねつける楽しみもあり、
「仕事をサボる」
という楽しみもあった。
正直な話、たしかに寝食を忘れて仕事に打ち込むことも楽しいにはちがいないが、それだって、
「ときには仕事を怠ける」
という楽しみに裏打ちされていればこそ……だろう。サラリーマン時代には、それがあった。
が、わたしみたいな�自由業�という名の不自由業者には、それがない。そんなことをしたら、いっぺんに食いはぐれてしまうだろうことはわかっているが、誰か適当な奴をみつけて、
「ちょっと代わってくれないか」
と言うこともできない。
しかし、サラリーマンには、それが、できる。そうして、そのなかで、
「余人を以て代えがたし」
という人生を送ることもできるのだ。
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