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男の日曜日59

时间: 2020-02-07    进入日语论坛
核心提示:笑いの頻度《ひんど》小説家の城山三郎さんに『毎日が日曜日』という傑作があるのは、ご存じだろう? 商社を舞台に、サラリーマ
(单词翻译:双击或拖选)
笑いの頻度《ひんど》

小説家の城山三郎さんに『毎日が日曜日』という傑作があるのは、ご存じだろう? 商社を舞台に、サラリーマンの生きがいを描いた作品である。
「サラリーマン必読の書」
と、わたしなんぞは信じている。そうして、サラリーマンたる者、サラリーマンたろうとしている者に、
「読め、読め!」
片っ端からすすめている。
そうしたら、この小説を読んで、
「主人公がちっとも笑いませんねぇ」
と声をあげたのは、わたしの若い友人である。言っちゃナンだが、ずいぶんヘンなところに目をつけたものだ。
しかし、彼に言われて、改めて『毎日が日曜日』を読んでみると、文庫本で五百ページにのぼる小説の中で、ホントに主人公の沖直之が笑ったのは、十回だけだ。それも、うち五回は苦笑である。
——沖直之。
扶桑《ふそう》商事に勤める中年のサラリーマンだ。長い海外駐在ののち、京都支店長として単身赴任する。それは、栄転ではなく、左遷にちかい。彼は、不本意な閑職に追われたのである。
そのとき、同期の情報通に浴びせられたのが、
「これからは、毎日が日曜日だな」
というジョウダンであった。この小説はその沖直之の日々を追う。
そこで、主人公・沖直之が実際に笑う場面を新潮文庫で捜したら……
〈沖の視線を感じたのか、美保がいった。
「わたしに何か……」
「いや、何でもない」
「おかしなひと。ひとの顔見て、うす笑いしてなはる。泣いたんで、ばかにしてはるんでしょ」
沖はとり合わなかった。ふたたび、笹上のことを考えた。
だれとも、まるで口をきくことのない生活。たとえ毎日が日曜日だとしても、そこに、たのしみがあるものなのだろうか〉
呆れたことに、一九二ページから一九三ページにかけて主人公が不遇な先輩・笹上と京の芸妓・美保との縁談を思いついたときに浮かべる�うす笑い�が最初で、それからは、
「苦笑した」(二七八ページ)
「苦笑しながら」(三三一ページ)
「微笑して、きき流した」(三三三ページ)
「苦笑した顔を見合わせた」(三三八ページ)
「(三人は、)弱々しく笑った」(三四八ページ)
「失笑した」(四四五ページ)
「苦笑して」(四五一ページ)
「(父子は)笑った」(四六〇ページ)
「苦笑した」(四六八ページ)
といったふうに、まさしく計十回だけ。しかも笑ったのは家族を相手に六回、先輩の笹上を相手に三回、京の芸妓を相手に一回で、沖は現役の上司や同僚を相手に一回も笑っていないのである。
正直な話、若い友人にそのことを指摘されて、わたしは「そんなものかなあ」と、ビックリした。そうして、たちどころに「そうなんだ!」と、膝《ひざ》を叩いていた。
わたし自身のサラリーマン時代を振り返ってみて、わたしは二十年のあいだに、大事な場面で、この主人公ほどに笑ったことがあるだろうか?
ない!
ないのである。
それこそ、昔は、
「男は、年に片頬」
といったものだ。いや、ことわざ辞典などによると、
「男は、三年にいちど笑う」
というくらいのものだ。
ことほど左様に、男は、つまり、武士は、すなわちサラリーマンたちは笑わなかった。ホント、年に一度か、三年に一度、それも、片頬だけで、
「フン」
と笑えば、それでオシマイだったのだ。
もういちど正直な話、こういうことを考えただけでも、城山さんの小説『毎日が日曜日』が傑作である所以《ゆえん》がわかるだろう。意識していらっしゃるか、意識していらっしゃらないかは知らないが、そういう意味からも、城山さんは、この小説で、
「サラリーマンの生き方」
というものを問おうとしていたのではあるまいか。
それにしても、ちかごろのサラリーマンたちの、よく笑うこと! バカみたい。
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