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男の日曜日65

时间: 2020-02-07    进入日语论坛
核心提示:男のヤル気、女のヤル気最高裁が、「定年制の男女差別は許されない」という判決を下したことについて、「どう思う?」と訊かれた
(单词翻译:双击或拖选)
男のヤル気、女のヤル気

最高裁が、
「定年制の男女差別は許されない」
という判決を下したことについて、
「どう思う?」
と訊かれたから、
「トーゼンのこと」
と答えた。正直な話、こんな結論を出すのに、
「裁判所が何年もかかった」
ということのほうが、解《げ》せない。
失礼ながら、
「裁判所」
というところは、あくまでもタテマエを標榜《ひようぼう》するところだろう。そういうところが、かりそめにも、
「それは、そうだが……」
といったことを言ってはいけない。タテマエとして、
「男女は平等」
と言ってしまった以上は、あくまでもタテマエを通すべきで、まちがっても、
「男女は平等だが、働く者の定年制にかんしては……」
というようなことは言うべきではない。そういうことは、いわゆる識者(?)たちに委《まか》すに限る。
そんなわけで、
「男女の定年制差別は無効だ」
という最高裁の判決については、まったく反対する理由がない。反対する人がいたら、お目にかかりたいくらいのものだ。
しかし、まあ、それだけでは、あまりに芸がないので、
男七三・四六歳
女七八・八九歳
という、日本人の平均寿命をもちだして、
「女のひとのほうが、男に比べて五歳ちかくも長生きしているんだから、いっそ女のひとの定年を延ばしたら、どう?」
と、バカなことを申しあげた。かりに、男の定年が五十五歳、女のひとの定年が五十歳だとしたら、男の定年の五十五歳はそのままにして、
「いっそ女のひとの定年を六十歳にしてしまう」
というわけである。
ホントのことをいうと、このほうがバランスがとれるのではなかろうか? 働く女のひとにしてみても、そのほうがずっと働き甲斐《がい》もあるだろう。
だいたい、
「働く女のひとの定年は、男のそれよりも早くていい」
という意見の根拠は、
「女性の生理機構は、一般に男性より劣るから……」
というものであろう。そのために、
「定年に五歳程度の差をつけても、けっして不当な差別ではない」
と考えてきたのだろう。
それが、いかにデタラメか——は、いまさらのように平均寿命をもちださなくてもわかるだろう。ウチのおじいちゃんとウチのおばあちゃんを比べれば、ウチのおばあちゃんのほうが、はるかにしっかりしている。
それも、これも、いままで、
「女性の生理機構は、一般に男性より劣るから……」
と、バカなことを信じて、男がシャニムニ働いてきたからだ。いつまでも、そんな屁《へ》みたいなことにかかずりあわないで、
「女性の生理機構は、べつに男性と比べて劣らない」
ということを、いや、いや、
「ひょっとしたら、女性の生理機構のほうが男性よりすぐれている」
ということを認めたら、いい加減、ツッパッて生きていくのがアホらしくなるのではなかろうか?
その結果、男性のほうも、すこうしラクになったりして……。
その結果、男性のほうも、すこうし長生きになったりして……。
それにしても、モンダイはヤル気だろう。経営者たちは、
「ホントのことをいうと、女のひとは三十歳ぐらいになると、すぐにヤル気を失っちゃうから、困るんだよ、ね」
というけれど、そういうことなら、男だって、同じことだ。男が、これまでヤル気があるようにみせてきたのは、ヤル気がなければバカにされてきたからで、これからは女のひとだって、
「ヤル気がなければ、バカにされる」
ということになったら、きっとヤル気をみせるだろう。
そのことで都合がわるくなるのは、ヤル気がないのにヤル気があるようにみせてきた男たちと、ホントにヤル気のない一部の女だけである。
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